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2024 / 03
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本日、桃の節句・雛祭り
婚姻届を提出した直後、正午過ぎにK市役所前で記念写真を撮ってからまる1年が経過した。

失業中かつ別居婚の慢性的憂いは、そのまま天気になるんだろうか?
ちょうど1年後、母と母の友人で初対面のSさん、ゆきんこは万博記念公園にいた。
3月といえども雪のちらつく寒空の下、満開の梅を見て楽しんだ。

大阪ガスの地域のMガスセンターの主催で、なんと500円の参加費で、梅見物バスツアーとホテルでのランチバイキング、それから、午後にはクッキングも体験させてもらった。
桃色といってもさまざまな濃淡の可愛らしい梅の花、一輪一輪に和まされ、気分はすっかり、郊外生涯学習だ。
対象は、お役御免となったシニア世代の主婦の方々に男性が2名ほど混じった総勢41名。
その10名近くは母の声かけでM町の自治会つながりの御馴染みさんたちだ。
失業中でも、母は私を自堕落なひきこもりにさせまいと、早朝からふとんをひきはがし、たたき起こして半強制的に誘われた。

因みにM町婦人会のマダムたちの大半が、子どもは独立した団塊世代だから、こんなバスツアーに参加したらアラフォーでも挨拶はこんな感じ。
「はじめまして。」
「あら、Nさんの娘さんね。」
「いつも母がお世話になってありがとうございます。もう、おばさんです。白髪も生えてきましたし。」
「ゆきんこさん、今日はよろしくね。」
民生委員で誰にでも温厚なMさんが今日のバスツアーの世話役だ。
「Mさん、母共々お誘いありがとうございます。この前はいろいろ愚痴をきいてもらってすみませんでした・・・。」
「いいのよ。そうだ、3月の広報見た?K園の求人があったけどどうかしら?」
「K園は20代のころ受けて落ちました。華奢な体格だからダメでした。メタボ状態の重度障がいの方たちの支援ですから、求人があるのでしょう。介護よりも過酷です。」
「ああ、そうかぁ~・・・」

3日前招待された豪華絢爛な1万2千円の祝賀会よりも、ご近所のマダムたちとのホテルで安価なランチバイキングがゆきんこには何十倍も落ち着く。
そして少々マナー通りでなくても誰も怪訝な顔はしない。
「ケーキがきたわ。」
「雛ケーキじゃないですけどね。」
「そうね、今日はひなまつりね。」
「因みに、今日で結婚して1年になりました。」
「そうだったわね。その後、どうなった?」
「相変わらず家にいますよ。今日も母と参加してますから。」

別にそんなことはどうだっていいんだ。
かなり、いけてない夫婦の方がマジョリティなのがせめてもの救いだ。
マダムたちには当然、パートナーが健在しているはずなのに、誰も夫婦で参加していない。
マダムたちにははじめから「主婦」という無報酬の奴隷制で今日まで生き延びてきたに過ぎないのだから。
開放感のあるひとときを過ごしたいのか、話題は専ら孫のことで夫のことではない。
これ一つとっても、各界のトップリーダーの面々を拝んでみても、あまりにも不甲斐ないわが国の有様よ。

「でも、昭和20年と平成20年とでは全然違いますよね。」
「そうよね~。」
「当時から戦後にかけて幼稚園通っていた人ってどれくらいいます?」
「私、行ってたわよ。」
「私も。でも、行けなかった子どももいたわね。」
「私がお世話になった大学の先生、家が貧しくて幼稚園に行けなかったって。ベルトもなくてひもでくくっていたんですって。それでいじめられたそうです。」
「貧しくなくてもいじめはあるけどね。」
「結局、富を独り占めしたいという本能がむき出しになると、やっぱりいじめや競争はなくならない。
夫は家庭内で経済力のない妻をDVするしね。」
「たとえ年老いて収入にならなくても、元気なうちはボランティアでもやって、社会に役立つ存在なのだと生きがいを感じられるような社会にならないと、ブラブラと遊山させられてもなんだか面白くない。」
「本当はみんな働きたいんだ。それなのに一部の有能な効率のいい人たちや頑健な人たちしか働かせてもらえない社会に成り果ててしまった。」
「古代のアテネでは、富や権力を持ちすぎた人は都市から25年も追放されたんだ。法の下に重罪だったんだよ。」

気のせいか、午後から体験した調理実習の若いアシスタントの方たちは、マダムたちを取り囲むように壁際に佇み、半強制的な企業仕込みのスマイルを浮かべているように見えた。

統計学の本をひっぱり出したものの、今更どうするっていうんだ?
ドクターPのせせら笑いが脳裏こだまするようだ。
「ゆきんこさんは、そんなことしなくたっていい。」
私はどうやったって、凡人の域を出ない。
F先生みたいなあんな輝かしい笑顔をたたえられないな・・・
「記念祝賀会の文集のなかに書いてあったけど、F先生がある徒弟の先生に『心理士なんて足の裏の米粒だよ』と言ったんだって。心理士を養成する先生がそんなこといっていいのかな?」
「あっても無駄ってことでしょう?」
「祝賀会で私の隣に座ってたセラピストさん、ずっと眉間に皺を寄せて指をもじもじさせていたよ。そんな態度で普段からちゃんと人の相談に乗ってるのかな?それとも、悩み事や困った人の話ばかりきいているからいつも精神不衛生なのかな?」
「そうかもしれないよ。結局、人間相手の仕事ほど難しくて徒労に終わってしまうものはないということじゃないの?」
「だから、F先生3年間通っても、私に何も仰らなかったんだ・・・」
「あんたみたいなすぐに機嫌を損ねるヒステリックじゃダメよ。」
「だったら、最初から受験するんじゃなかったな。入ってから何度もカルチャーセンターの方がましだと思ったよ。」
「まあその感覚で、学者だって学生に貢いでもらって稼いでいるわけだから・・・」
「将来を約束しないならやっぱり詐欺だよ。」

ぴかぴかの最新式の台所用品やミストサウナ浴室、床暖房のショープラザに囲まれているのに、
働き盛りの私たちの方がマダム集団を相手になんだかしょぼくれている。
昭和20年にはきっと結婚直後、戦争に引きさかれた夫婦もあっただろう。
平成21年でもひとつ屋根の下にいても、苦しいだけの夫婦もある。
やっぱり仕事を見つけなくちゃ・・・!!と焦る。

せめてもの慰めは、白杖や盲導犬を使って梅を感じている視覚障がいの方が共に参加し、社会的にも家庭的にも弱者として生きながらえてきた聞こえの悪くなったSさんと母が会話の折々に笑顔を交わす姿に癒されている。

あ~あ、明日はまた上司に会いに行かなくちゃ。
はじめから落ちるとわかっている試験や面接はもう御免だ。
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【】
結婚おめでとー♪
ゆきんこさんの結婚記念日って覚えやすいでしょ。
それに結婚された時すごく嬉しかったから
しっかり覚えていました(*^。^*)
だから、絶対にメールするぞ!!!と決めていたのに
携帯を落としてしまってから、電源がすぐに切れる。
調子悪くて・・・使い物にならん<`ヘ´>
というわけで、ここで!
焦らずゆっくりと夫婦の愛を育ててください(^-^)
【ポップさんへ】
ポップさん
早々にお祝いのメールありがとうございます。
携帯の調子、はやく直してくださいね。
恋人時代と夫婦1年目はまた大きな変化がありました。
ブログには克明に叙述できませんが。。。
ポップさんの記念日も教えてくだされば喜んでお祝いいたします。(#^.^#)
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ゆきんこ

  • Author:ゆきんこ
  • 2005年8月23日にデビューして、ブログ歴17年目になりました。
    開設当初、障碍児加配保育士を経て、紆余曲折の3年間の夜間大学院の日々を綴ってきました。
    修了後も、失業と再就職を繰り返し、どうにかケセラセラでやってきました。
    出会いと別れの中で次第に専門分野への執着を捨て、遠ざかる日々です。

    独身時代の趣味は、旅行、水彩画、ハイキング、心理学系の読書、リコーダー演奏などでしたが、兼業主婦になってからは家事にまい進、心身とともに衰退しています。
    かなり前に流行った「どうぶつ占い」では「人気者のゾウ」ってことになってます。