日常の当たり前の何気ないことの中に 「あっ」というささやかな発見を一緒に 味わってくれませんか? でも、もしかすると、見過ごしている当たり前でない大発見かもしれません。
毎日がお勉強
2006年04月22日 (土) | 編集 |
今週も終わった。

一週間、自分のPCと向き合う時間のないうちに、
自転車で営業所へ向かう桜並木はすっかり花びらを落として若葉に彩られている。
田んぼでは、菜の花や薺が揺れていて、蓮華も咲いている。
家の軒にはチューリップが並んで咲いている。
畝が整えられ、徐々に田植えの準備も始まった。

午前9時から午後5時までの仕事。
そのうち車や自転車で過ごす時間が3時間。
午後5時から6時の間に退勤して、3時間が夜の学校。
電車の中で過ごす時間が3時間。
帰宅は午後11時すぎ。

今週は月曜日から木曜日まで4日間連続
今学期初めての月曜日がF先生のゼミと
木曜日はY先生のゼミがあって、
週末の金曜日は8時まで残業でした。

営業所内では相変わらず、冗談や笑顔も絶えないし、
体調崩したり休んでいる同僚も何人かいて、
「大丈夫?」
「熱あるんじゃない?」
「ゆっくり休んで」
「無理したら続かないよ」と
労わりあったり、慰めあったりしている。

その代わりにそれぞれのスケジュール管理は手抜かりなく
されているので、日々、日報や活動データ報告を社内端末で
送信し、それが査定され、昇進や報酬へとつながっていくシステムなので、ただ優しいだけじゃない世界だ。

毎日、毎日、覚えなくちゃならない新企画や情報がやってくる上に
再三再四うるさいのが、個人情報保護法に基づくコンプライアンス

ここで、久しぶりに2005年11月と12月に旅した美山の茅葺民宿「久や」さんへ電話をかけてみた。
「年末お世話になったゆきんこです。」
「はいはい。」
「来月、予約できますか?」
「すんません。その日はお客さんの予定入ってますわ。」
「そうですか~。代表でかけていますので、またメンバーと相談して日程の変更を検討します。」

心理学上はどこまで自己開示できるのかが精神健康度の指標とされ、「ジョハリの窓」というテストでは、
オープンであればあるほど、より健康的で円満な人格とされてはいる。
昨日目にした社内の記事に「ブログオタク」は、
あからさまにオープンにしたり、面と向かっては自己主張できないが、どこの誰だか匿名にすることで、自分の意見や考えを出すことが可能なキャラクター傾向があるんだとか。

確かに一理あるかもしれなくて、
あんまりブログと実物に殆どブレはないような気がしていますが、
いずれにしても、
F先生のことばを拝借すれば
「ありのままでいられたらそれでいいんだよ」
という訳に簡単にいかない日本現代事情がある。

ブログが流行ったり、DV(親密な男女・夫婦間の暴力)が3人に1人とか
の割合で起こっているのも無理はないし、

「家に一緒にいてもダンナと全然会話がない」とボヤく
隣の既婚同僚が読むそんな情報を聞いて
「あ~、やっぱり独身でよかった・・・」
と胸を撫で下ろしたりしてしまう。

月曜日の採用活動で、ハローワークの前でBさんと雑談した。
「Bさん、この前のカラオケでなごり雪とテレサ・テンの別れの予感
歌ってたでしょう?わたしもよく歌いますよ。」
「ゆきんこちゃんってさあ、今時じゃないのがいいのよね。」
「自分ではこれでフツウなんですけどね。確かに流行には疎いかも。」
「流行に関心なくて、茶髪にしたり、ヘソ出しルックしたり、マニキュアつけたりしないのが、私たちの年代には安心感があるのよ。」
「今の季節で言えば、四葉のクローバーって感じよ。」
「上手いこと褒めてくださいますね。」
「三つ葉はいくらでもあるけど、四葉って滅多に見つからない。」
「つまり、3枚がフツウで、4枚は奇形なんだけど、だから希少価値が
あっていいんですよね。」


一方、夜の大学院の方は、新1年生が入学し、3年生の姿を目にすることがなくなってしまった。
1年生は7名いるけど、誰が誰だかわからないし、何となく1年生同士で
結束してしまっているみたいだ。
7名のうち3名は男性の幼児教育者なので、こちらも2年生のTさんやKさんの知り合いとかでグループができてしまった。

従って、学校では今年も孤独な1年を過ごしそうだ。

緘黙のことや、教師集団に馴染めないことを少しづつ自分なりに
訴えはじめたことで、(その時は一瞬退いていたのがわかったが)
気のせいか、周囲は人生を変えてしまった私に
余程、辛い思いをしたのだなと理解を示し、やわらかい雰囲気で接してくれるようになった。

水曜日、講義を終えて建物の前で3年生のT先生に偶然会った。
「T先生、お久しぶりです。」
「ゆきんこさん、新しい職場はどう?」
「ええ、何とかやってます。」
「上手く行ってるのね。お顔の色がいいもの。」
「先生は新学期どうですか?」
「人事異動はなくてそのままよ。今年も同じ上司の下で大変だわ。」
「お体には気をつけてくださいね。」

大学院生活も丸1年経つと、
「大体こんな感じなのか」と
ある意味での異次元空間の雰囲気が掴めてくる。
大学教官というのは、巷の人々とは異なる独特のムードのある方々で
私にとっては、先生方の人物観察もまた「いとをかし」だったりする。

火曜日特に面白そうな、専門外で尚且つ突飛な科目に顔を覗かせてみる。
6時限目「免疫学と病理学」お医者さんらしき先生が命令口調で、
「身体の組織について順番に挙げてみろ。」
「消化器系、循環器系、呼吸器系。」
「髪の毛」
「骨、筋肉」
「血液」
「…もう思いつきません…」
「もうないんか?もっとあるやろ。ゆきんこくん。」
「頭、肩、腰、お尻、手、足、肘、膝、腿、目、鼻、口、耳、目くそ、鼻くそ、耳くそ、涙、爪、皺」
「ほぉ~、それでもうおしまいかい?」
先生は、ジロリと私の顔を覗き込んだ。

「え~、、、、赤血球、白血球、プリン体、核、DNA!」
「もう出でこんか?」
「ん~と、コラーゲン」
私の回答に同席の栄養士や他の諸先生方、学部卒ほやほやの若い新入生
たちが、無反応な反応を起こした。
「はい!先生思い出しました。ミトコンドリア。」

7時限目は、もっと面白い「野外学習特論」
タイトルだけの好奇心で蓋を開けてみると、受講生は1年生の高校教諭と
私の2名。
「先生、先週のオリエンテーションでお隣でしたね。」
「ああ、あの時の。あなたはどちらのコースですか?」
「幼年教育ですが、専門以外のことも関心を深めて勉強してみたいなと思っています。」
「私は地理学の専門です。地球まるごとですな。地図を作ったり、模型を作ったりという実習をしてもらいますね。最後は地質調査に出かけて、現地と地図を再確認しましょう。」

タイトルでは、キャンプファイヤーやレクリエーションをするのかと
思ったけど。
そんなの今までやったことないよ!
先生の教え子は、有名な地理や地質研究所で働いているとか。
しかも、2対1とは家庭教師並みのVIP扱いでいい気分です。

同じゼミの小学校講師のNさんの口コミで、
「さっき木曜日6時限のI先生の講義よかったですよ。」
「どうしようかな~、I先生、障害児のお話よね。仕事の都合で火曜日と
水曜日に履修しようかなと思って。来年にしようかな。」
「来年はありませんよ。隔年の講義だから今年しかありません。」
「じゃあ、履修しようっと。」
「こっちのY先生のも楽しかったよ。」
「あ、それも聞きたいな。でも、そんなことしてたら、また去年みたいに両立できなくなって仕事辞めなくちゃならないよ。」

ああ、みんなみんながこんなに朝から晩まで何かをせっせとやっている。

だから今は、布団に入って何もしない時間が貴重だった。

機械だって使い続けていれば、壊れてしまう。
人間だって身体を酷使していれば、ガタがきて病気や怪我をする。
そんな時、お役に立つのは今のお仕事。
普段、何事もなければそれに越したことはない。
でも何もないなんてことは、命のある限り有り得ない。

何かができるのも、何もしないでいいのも自分が決めることだった。
仕事も勉強も何かの課題が出てくる。
その課題に取り組める自分は、自転車のこぎ過ぎで膝も痛くて
やっぱりくたびれてるけど、
一緒に「アハハ」と笑える仲間がいるのが、
一番嬉しいと実感できる。


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2006/04/22 15:23 | 大学院 | Comment (4) Trackback (0) | Top▲
目的地に笑顔あり(ささやかなこの人生)
2006年04月16日 (日) | 編集 |
一昨日から今朝方にかけて降り続いた冷たい4月中旬の雨もようやく止んだ。

只今、正午のニュースで、午前中の日曜討論のVTR録画で「教育基本法与野党で論戦」の見出しが出て、ちょっと見入ってしまう。

先週1週間のお天気は花冷えって言うのかな?
満開の桜の花びらは一片一片、はらはらと舞い落ちて、
ピンクの雪みたいにアスファルトの上に積もって、
風の強かった火曜日は、下から上へとふわりと風が舞い立つと、
本当に桜吹雪の北島三郎の世界を自然は「自然に」見せてくれた。

あ~、今週は朝から晩まで働いて、勉強もして疲れた…
近頃の働き盛り層、生活責任層、エリクソンの言うところの壮年期は、
朝から晩まで働いて、睡眠リズムも乱れている。

正午の喉自慢で心理学科の3回生が、トップバッターで「渚のシンドバット」をハモッてる姿に、キュートで元気出るなあ(オヤジみたい…)

さて、ゆきんこの新しいお仕事は飴ちゃんつきチラシを
オジサンたちが働く職場や地域のポストにばら撒いて、アンケート取ったり、それに付随するコミュニケーション取りながらの巡回訪問を
行なっている。

大好きな自転車を乗り回し、起伏の多い丘を登ったり下ったりの自然志向エクササイズ
お陰で、太腿や股間節が筋肉痛です。

週明けは早速、声をかけてくださったSさんの職場へS支所長と馳せ参じ、ついに、ゆきんこの第1号のお客様ができました!
と言っても、殆ど上司のおかげさま様なんですが。
「何かあったときは、迅速に頼むで」
「はい。迅速に」

保育士仕事と違って契約成立の悦びがピンとこないわけです。
その代わりに、私のドーパミンは違ったところで一気に放出されることがある。
これを俗に言う「火事場のバカちから」
学部時代のKゼミの同期男子学生がそのテーマで論文書いてたことも思い出しました。

水曜日から夜の社会人学校が始まり、新入生が入って顔触れがガラリと
変わりました。
「受験勉強大変でしたか?」
「いえ・・・あんまり勉強してないんですけど、合格させてもらいました。」

ね?取りあえず、現役教員ならどなたでも出すものを出せば入学できる
という夜の学校ですから、I先生が
「お気軽にどうぞ。」と教師集団の講演会で宣伝したのも当然です。

私だって今となっては、会社のチラシ蒔いて、似たようなこと言ってるんですから。
但し、奥はどちらも深~いふか~い森みたいな、
それとも、初めは楽しそうなお化け屋敷の入り口
そんなものです。

保育所だって一見したところ可愛い子どもたちがいて楽しそうに見えるし、そこで働く保育士や、学校の先生は模範的な人で、いい所なんだろうな~、と想像します。
スポーツ選手ってカッコイイな~という憧れと希望と幻想を抱いて、
「じゃあ、ちょっと入ってみます」

そう。入って確かめて、判断するのは他の誰でもない自分だから。

しかし、何度やってみても、
「やっぱりわからないな~」
「なんでだろう???」
このハテナマークがエンドレスに放出されるとき、
ゆきんこは眠れなくなる。

それで、気がついたら突っ走ってるわけです。
13日木曜日の午後5時
4時半にはそろそろと机の上を片付けて、
「すみません。お先に失礼しま~す!」
とセンパイたちの顔色も伺わず、自転車を駅4つ分ひた走る。
H駅から神戸の新開地に着いたのが午後7時だった。
それからの神戸電鉄の小1時間の長く感じたこと。
7時30分ごろにはさすがにイライラしてきた。
「もうここで引き返さないといけないかも・・・」

恵比寿駅に着いたのが7時45分だった。
通常ここから目的地までは徒歩25分かかる。
それでは、走って8時に間に合うか?
よ~い、ドン!

自分1人でも(1人だから)こんなバカな目標を立てて実行する。
早すぎる息切れに、トシ相応かな~と思いながら走った。

そして目的地のドアノブに手をかけ、ドアを開けた。
ガチャ

「はぁはぁはぁはぁ・・・」
喘いでやってきた私に一斉に集団の視線が注がれた。
(おやなんだ反射)

うっ・・視線が突き刺さる。

あ~、呼吸を整えてから入室するんだったな(反省)

壁掛けの時計は午後8時ジャスト

議論のテーマは軽度発達障碍の方々の就労支援とジョブコーチ制度の導入について
子どもから大人になる発達のプロセスでコミュニケーションに問題や遅れがあることが、学習全般、ひいては就労も含めた社会自立が難しいのが彼らのお悩みなんだけど、
だからといって、何もできないわけじゃなく働きたい気持ちはある。

そんな彼らを理解し、雇用してくれる事業所を開拓する模索もI先生の
研究職務で、激論の真っ最中。
それを遮って、ご迷惑なことに私の呼吸が整うのにちょっと時間がかかってしまったし、喘いでいる間は全然話が見えていなかった。
それも、時間をきにしながら逆算して日付の変わらないうちに帰宅しないといけないので、コーヒーブレイクがてら参加できたのは正味25分間だった。

笑い声の好きな私の目的。
I先生の一笑を聞きたいだけだった。
どんな文脈で笑ったのかは憶えてなかったけど、
たったの25分以内に目的は達成したので、大満足だった。
正真正銘のアホだった。

保険の契約とか、何かの選択や決定ってこの頃はそんなちょっとした
ことなんだな~と単純に考えるようになり、それでストレスも吹っ飛んでしまうことがある。


電車の中でI先生や数名のスタッフの方々が作成したリーフレットを
見て驚いた!
表紙の一番下には「T生命ひまわり厚生財団助成事業」と刻まれている。

何の因果か、生保業界に身を置くことになった私だけど、
母は小学校の低学年の頃、T生命でしばらく働いていたことがあった。

さて、ゆきんこは電車の中で思いついた!
このリーフレット支社長にも見せなくっちゃ。
本当は会社のチラシよりもこのリーフレットを撒き散らしたかった。

花さかばあさんみたいにね。



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2006/04/16 13:48 | 講演会 | Comment (0) Trackback (0) | Top▲
マイ フレンド メモリー(The Mighty)
2006年04月09日 (日) | 編集 |
もうすぐ午後6時。でも戸外はまだ明るい。

さっきまで久しぶりに洋画ビデオを見ていた。
作品は「マイフレンドメモリー」The Mighty(騎士)
シャロン・ストーン、エルデン・ヘンソン、キーラン・カルキンの出演で1999年公開だ。

数年前にも、LDや障害児を扱った話題作として今回、初めて鑑賞したわけではなかったけど、名作は何度見ても感動するな~。
勿論、公開当時は同窓の特殊教育特別専攻科の諸先生方とも語らっていた。

主人公のマックスは、幼い頃に父親に母親を殺されたことを目撃してトラウマになっており、読み書き障碍もあって、学校の不良仲間に
苛められているシーンから物語りは始まっている。

一方、余命幾許という身体障害のあるケビンは、明晰な頭脳を駆使して
マックスと相棒になって、さまざまな冒険に立ち向かっていく。
弱虫のマックスに勇気や励ましを与えたり、分厚いアーサー王物語の
読み書き学習を放課後にレッスンしていた。
「5ドル欲しくないのか?」
「ほうびをあげよう。」
なんていう台詞が出てくる。

父親が仮釈放されたとき、マックスの母方の祖父母は青ざめて、
銃などを用意していたが、父のケインが深夜にマックスを拉致して
自分の住処へ連れ去ってしまった。
「オレはあいつを殺さなかった。」
と息子に言い聞かせて、縄で手足をグルグル巻きにするシーンなどは、
私にもフラッシュバックさせるおぞましい場面だ。


それで気がついたけど、教師集団の中にいると何となく鳥肌が立って背中が痛くなるのは、やっぱり一種のフォビア(恐怖症)もどきかもしれないと自己分析した。

映画の中で、「ケインは保護観察官に会いに行かなかった」という
台詞があり、以前鑑賞したときには全く気にも留めていなかった。

今回、なぜ「保護監察官」ということばにひっかかったのかは、
昨年、履修していた「ABA(行動分析学)特講」のテキストに度々、
行動分析士というプロフェッショナルと共に登場する専門家なのだ。

しかし、日本では精神科医はもとより、こうしたアメリカには当たり前に養成されているプロはいないし、そこまでヒューマンサービスが再分化されていない。

日本ではこの資格を取得できるのは、極1部の大学に限られている上に
養成する側もされる側も少ない。
でも、LDやADHDに対応するABAやそれを駆使するプロはやっぱり、
闇の世界とスレスレの分野にも対応するために、マッチョな男性でないと仕方がないんだろうか・・・と考察してみた。

そして改めて、自分もマックスと同じ境遇にいた人とも遭遇したなあ~
なんてシミジミしてしまった。

・・・という専門チックなマイナーな内容になっちゃった。

エンディング曲もよかったので、ご紹介したい。

昔の騎士のように堂々と歩こう
遠い日々の冒険がよみがえる
ドラゴンを退治し、美しき姫を救おう
ぼくらを阻むものはいない
ぼくらは誓い合った兄弟

はるか時を超えぼくらは歩む
希望に満ちた大地を目指して
人は誰も自由 正義の剣をかかげ
高貴な騎士の誓いを胸に
ぼくらは共に戦う兄弟

敗れても勇気を持ち
負けても誇りを失わず
打たれても立ち上がり
禁じられても語り
呪われてもはね返し
拷問されても耐え
盲目にされても見つめ
毒をもられても清め
声を奪われても歌い
足枷をされても走り
ふみにじられても太陽に顔を向けよう

ぼくらは世界を見下ろして歩く
ぼくらは騎士、勇者フリーク

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2006/04/09 18:40 | 鑑賞 | Comment (2) Trackback (0) | Top▲
新学期が始まりました。
2006年04月08日 (土) | 編集 |
4月も第2週が終了。
今週は入学シーズンで、市内の学校の前では、礼服でおめかしの
ピカピカの1年生の親子連れを目にすることが多かった。
桜もちょうど満開で、初々しい嬉しさが伝わってくる感じ。

しかし、会社では「4月6日は何の日かわかっとるやろな?」
「お釈迦様の誕生日だったかな?ねえ、M所長?」
「ニコニコ1件締め切り日でしょう?」

さて、ゆきんこの営業成績0件
アハハ~!

さぼってるわけじゃないけど、相手の状況とか、心境は日々
コロコロ変わるんですから、こっちがきばっても思い通りにならない
こともあります。

水曜日は、トレーナーの同行があってものすごくご足労をかけてしまった。雨天だから車も持っていなくて、いつもは上司の車に乗っけてもらっていたのに、電車と徒歩で目的地へと出発した。
自動車で15分のところ、徒歩→電車→徒歩では1時間。
目的は、保険商品内容の提案と説明だ。
周囲の休憩時間に、他の人々にも聞こえるくらい上ずった声で
説明したから、練習台になってくださったMさんの様子にも
気がつかないほど余裕がなかった・・・

「練習させてくださってありがとうございました。」
「聞くだけならいくらでもどうぞ。」

すると、別の既契約の男性から声がかかった。
「あんたの上司、オレのこと忘れとらんやろうな?」
「いえ、忙しくしておりまして。帰社したらすぐに伝えます。
お名前を確認させてください。」
「Sや。」
「Sさんですね。申し訳ありませんでした!」

帰りがけに傘をさしながらIトレーナーがコメント
「ねえ、お客さんどんな様子だったか見てた?」
「いえ、ポイントだけ説明するだけでせいいっぱい。」
「ちょっと恥ずかしがっていたでしょう?
保険提案は個々人の経済状況によって金額設定も異なるからね。
プライバシーに配慮して、お客さんの反応もよく見て、目線を落として話すことが大切よ。」
「お客さんのことも商品のことよくわかってないからしどろもどろでした・・・
お客さんの方がずっとよくご存知ですよね。他社商品もわからないし、
自分の保険だって自分で契約したことありませんでしたから。」
「そうよ。お客様から教えていただくことも本当に多いのよ。」

木曜日は、からりと晴れて桜も程よく満開になった。
S支所長に同行を依頼して、Sさんの件を御願いした。
Sさんの保険商品が近々満期になるので、保障内容の異なる新しい保険に買い換えてくださるのだそうだ。
「つまり、ヤドカリが宿が合わなくなったから別の貝に換えるようなものですね。」
専門用語ではSR(転換)って言うんだけど、
本当に初歩的な社内用語もわからなくて先輩たちに質問しまくっている。

同行しているときは会話も弾んで5枚くらいアンケートも取れるのに自分1人ではからきしなのだ。
しかし、「がんばりや。」と言ってくれたNさんは、
「オレも異動になるから、今日で終わりや。」
「今度はどちらに?」
「教えたらへん。」
「先日は、ゴミ処理場もお邪魔しましたが、複数の外交員が出入りしていらっしゃるらしく、許可をもらえませんでした。」
「今度はT付近へ異動や。来週来たら、アナタって呼ぶように。」
「前のお連れ合いもそうおっしゃってたんですか?」

既契約者の定期訪問でもいろいろのリアクションがあった。
薬局とか、歯医者さんとか、花屋さんにタバコやさんと、
お店を経営していらっしゃるところへも名刺を差し出し、挨拶した。

母と同い年の薬局のご主人は、
「もう払い込みはすんどるし、何もあらへんで。」
「お元気かどうかとお伺いにきました。」
「生きとるか死んどるか見に来とるんやな?」
「いえ、そんな。月に1回お絞りをお届けしています。」

あ~!!
障害児保育も営業もほんま大変なんやから…

金曜日は、新設の営業所同士の営業成績と5月目標の宣誓とか激励式の
ような式典があった。
ニコニコ1件締め切り日までに、達成した外交員が名前を呼び出されて
表彰された。
★営業所は、11月までに営業員を増やして支部昇格することが課せられている。
「もし達成しなかったら?」
「解散して、他の支部に散り散りになってしまうの。」
「え~!?このメンバーが気に入ったから入ったのに。」
「そうでしょう?バラバラになったら雰囲気も変わって働きづらくなってしまうかもよ。」

式が終わって、お楽しみのお花見バーベキューへ出かけた。
「ゆきんこさん。ごめんね。車で先に行って待ってるからね。」
「はい。ありがとうございます。」

会場はY公演。営業所に着くとすぐにM所長の車に便乗して、設営の準備に取り掛かった。
物と物との受け渡しに何の滞りも躊躇もないのは、受け入れてもらっているし馴染んでいる証拠。
でも、これがスムーズな「コミュニケーション」だなんて健常者の誰が気付くだろう。

その点、研究者のビジョンが加わってくると、
「スゲエ!」って感動しちゃう。

逆に発達障碍のみなさんにとっては、かなり高度な技術を難なくやりこなしているわけで、当たり前なんだけど、
当たり前のことが当たり前じゃない世界で、当たり前に持っていく技が
どんなに大変なのかというメカニズムがわからず「できて当たり前や」と単純にやり過ごしてしまう罪を犯しているのだ。

それが、大半の教育者の不覚な罪なのだ。
その教育界から常にはみ出してきた私。
嘗ての同期生たちの研究論文は、書籍の上で華々しく踊って見える。

お日様ニコニコの桜の木の下で、バーベキューの炉を囲んで、焼肉をほおばった。
「Sさん、今回1週間以内に3件もの契約すごかったですね。」
「そうね~。今回のお客さんはいい方でラッキーだったのよ。」
「いつ入社されたんですか?」
「もうすぐ1年よ。」
「前のお仕事は?」
「事務職員とか、小さい会社の秘書とか。」
「だからPCの入力速いんだ。」
「ゆきんこちゃんもできるようになるよ。」
「わからないことばっかりですよ。社内用語のS´とSってどう違うんですか?」
「誰もわかってないんだな~、多分。ゆきんこちゃん、面白いね。」
「そうですか?何かちょっとしたことが気になるんですよね。この頃、質問魔なんです。」

夕方は、2次会でカラオケボックスへGO!
それぞれの18番で喉を鳴らしたけど、共通していたのは、
今の流行歌じゃなくて、万人に親しまれた若かりし頃のヒット曲を選曲
していたこと。
嬉しいのは、やっぱり同年代のポップスかも。
今回は、子どもたちも3人いたので、ゆきんこは大サービスで
「おもちゃのチャチャチャ」「魔法のプリンセスミンキーモモ」
「となりのトトロ」などをTくんとデュエットしました。

「すみません。お先に失礼します。」
夕暮れの一本道を、自転車を走らせて駅前に20分後に到着。
次なる目的地は、2ヶ月ぶりの夜の学校。

定刻の9時には全然余裕で間に合ったので、図書コーナーで心理学の
学術雑誌をちょっと読んで時間潰し。

「Tさん、久しぶりです。先日の修論発表会参加されましたか?」
「そんな発表あったんですか?」
「うん。私は間に合わなくて、参加できなかったんですけど。」
「それよりゆきんこさん。あれから仕事は?」
「もうビシバシしごかれてるよ。」
「本当に保育士辞めてしまったんですね。」

2~3人の顔見知りの先生方ともすれ違って会釈した。
気のせいか、その表情からやや過剰な気遣いが読み取れた。
それから、事務所で昨年度の成績表と今年度の科目履修表を受け取って
6階の講堂へ教職の在学生が勢ぞろいした。

「お隣、宜しいですか?」
「ええ、どうぞ。」
「新入学なさったのですか?」
「そうです。」
「おめでとうございます。」
「ありがとうございます。あなたは-」
「2年生です。」
「履修はどうされましたか?」
「ええと、今、成績表をもらったばかりなんですが、今年は22単位を習得できました。2年次は研究論文がありますから1年のうちになるべく履修される方がいいと思いますよ。」
「どんなふうに履修しましたか?」
「前期と後期に週3回づつ来ていました。」
「成績評価は?」
「だいたいはレポートの評価です。でも出席も重視でした。
ある教官は、遅刻は仕事優先だから仕方がないが、たった5分でもいいから出席はするようにと。でも、先生のコースは?」
「総合学習です。」
「大変ですね。」
「いえ、好きなんです。」

好きって、本当にいいことだな。
初対面のこの先生には好感が持てたけど、全ての先生に対してとは
言い難かった。
欲目に見ても、ちょっとIQ高くプライドも高い方々のムードが何だかイヤで、居心地もよくなかった。
事務局のY氏は、私が挨拶しても知っているのに無視して挨拶せずに通り過ぎた。
これだからツンツンしたコームイン族はいやだ!
そうやって差別心丸出しなんだから!

やっぱり、教師集団の中でムカムカしてくるのをなるべく自覚しないように努めて鈍感にしていた自分があった。
「私はこの人たちからはみ出したんだ。」

どうしてあんなに好きだったのに、保育をやめてしまったんだろう。
どうして大好きだったのに、恋人や夫婦は別れてしまうんだろう。

今日の午後は、2階で溜まった書類の整理をした。
BGMは、リムスキーコルサコフのシェーラザードとか、
大学時代に奏でたり、聞いていたブラスバンドの曲の数々。

入れる引き出しのない去年の諸々の書類を分類した。
読み返すことができないミミズののたくったような文字のメモ、
大学院の講義配布資料、LDの会報、趣味や興味のもの色々。


失業直後に凹んで神戸の埠頭で潮風を浴びながら読んだ
「それでも人生にイエスと言う」が段ボール箱の奥から出てきた。

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2006/04/08 21:39 | 大学院 | Comment (2) Trackback (0) | Top▲
ちょこっと英会話
2006年04月04日 (火) | 編集 |
今日は、ぽかぽか暖かい、いい陽気の1日だった。

今日はK支社で4月の「合同進発式」というのがあって、
勿論、私も含めてこの3~4ヶ月に入社した新人が勢ぞろいして
表彰式などのイベントがあった。

入社前の保険のお勉強で2月から3月にかけて1ヵ月半ぶりに自転車をビルの前に駐車すると、清掃の女性が私の顔を覚えてくれていて、
少し笑って声をかけてくれた。
「おはようございます。」
「久しぶり。がんばってる?」
「はい。ありがとうございます。」
エレベーターの前で同期入社のIさんとも会った。
「ゆきんこさん、久しぶり。」
「Iさんもこっちですか?」
「そうよ。5階でしょう?」

エレベーターのドアが開くと、トレーナーの姿が目に飛び込んできた。
「おはよう。ゆきんこさん。」
「おはようございます。今日はたくさん集まるんですね。」
「そうよ。貴方の名簿の名前、ここよ。」
「あ、すみません。」
「席は一番前よ。」

本当に一番前の中央の長机のどまん中だった。
しばらく資料に目を通して、定刻の9時半になるのを待機した。
数ヶ月違いの新人が総勢50~60名は参加したみたいだけど、
いくらなんでも、入りたてで仕事もままならないほやほやの人間が
最前列なんて誰が決めたんや?

互礼、着席の後に、4月に着任したばかりの教育担当のW部長から就任の
ご挨拶で式は始まった。
「顔はゴツゴツしてますが、性格は優しく温厚です。」

毎月、毎月厳しいノルマがあるけど、それを見事に達成した優績者が呼ばれて、一列に並んだ。なんと3月中の締め切り日に4件以上の契約を
取り付けたというのだ。
T課長がマイクを持ってインタビューした。
「どんなことに気をつけて活動を行ないましたか?」
「すぐにお客様とアポイントをとって迅速に保険設計書を提案したことです。」

え~、本当なの!?

見たところ、茶髪で今時のコギャル風の服装するのがポイントなんだろうか?と思いましたけど・・・

これに対して、ゆきんこはシーズンに合わせて桜色のブレザーで今週がんばってますが、契約なんてとてもとても・・・

式が終わって、新人専属トレーナーのIさんが優しく近寄って言ってくれた。
「明日、一緒同行だね。」
「はい。よろしく御願いします。」
「資料は一通り用意してS室に来てね。」

エレベーターで再び、清掃の女性に会った。
「チューリップ綺麗ですね。」
「そうでしょう?買ったの。家に飾ろうと思って。」
「私も飾ってました。一輪挿しにして。」
女性は、私の顔を見て言った。
「あんた、綺麗な肌してるねえ。」
「え?いや、そんな…もういいトシなんですよ。」

ウソでも、照れちゃうな~

自転車で田んぼ道に沿って、営業所へ向かう。
頭の中にも爽やかでもう寒くない春風がそよいでくるみたい。
田んぼ道が、春の小さな花々で賑わっている。
ナズナ、雪柳、たんぽぽ、一番目に清清しく映るのはいぬのふぐり。

11時半に遅参すると、殆どの営業員は出払って、K所長だけが私を待ってくれていた。
「今日は、新規開拓だね。支度できたら出かけよう。」
「すみません。だいたいは用意できています。」

今日の訪問は、殆ど不許可か、不在か、電話中とかの理由で、
全く手応えなしだった。


★営業所は、K駅前のマンションの1階にある。
併設の駐車場の管理人さんも、1ヶ月往来している新人の私を
覚えてくれたらしく、通りすがりに会話した。
「今日は、暖かかったですねぇ。」
「そうですね。」
「桜も一気に咲いてお花見が楽しみになってきました。」

「おかえり~、どうだった?」
「殆どダメで1箇所だけなんとかいいといってもらいました。
それから、ゴミ処理場は市役所の係りに問い合わせて許可を得るようにと。元から30年以上の大ベテランの外交員の方のシマになっている企業ばかりで、難しいですね。」

そんな訳で、ちっとも軌道に乗っていないし、私の査定の数値は
相変わらず、0という数字が並んでいる・・・

それはさておき、今日は先月1ヶ月3回だけ仕事の合間に
火曜日の夜だけ楽しんだ英会話のことを書こうと思っていた。
来週から夜の大学院が始まるので、2年前から中断しているのだけど、
大学院の休業中だけ、顔を出してみた。

ゆきんこの英会話。
自慢にもならない初級レベルだけど、
もっと具体的に言えば、中学英語程度の普通会話と、
聴き取り50%くらいのリスニング力で、乗り切っている。
先月丸1年ぶりに顔を出したら、クラスメイトのN氏が懐かしがってくださった。
「あ~、久しぶり~、1人で寂しかったんだよ。」
「私もそろそろお会いしたいと思っていたんです。」

そういえば、自分の近況については、8月にブログを始めたことしか
近況報告しなかったし、職種を変えたことも英会話仲間には告げなかった。だって、営利を求めない「障害児加配の優しい保育士」で
ゆきんこは通っていたんだから・・・

英会話の先生はコロコロ変わるのが飽きなくて面白い。
今月は、ガーナのエリックさんに代わって、カナダ出身のロンさんが
先生になっていた。

話題は、ロンさんの遍歴について。
N氏や世話役のOさんの日本語の解説によると、
ロンさんは映画にも出演したことのある元アクターだとか。
世界中を日本人の奥さんと生々流転の人生の計画が狂って、
奥さんの実家にマスオさん生活をする羽目になった。
・・・とロンさんはボヤイていた。

先週の話題は、お気に入りの番組について。
ロンさんは、日本のテレビ番組よりもスカパーなどで、
海外の番組を視聴するのが好きだ。
「あの喉自慢や紅白とは、ちょっと違う番組なんだ。
視聴者の投票で、みんなのアイドルを選ぶ歌番組があるんだよ。
ボクからみたら、下手だと思うような挑戦者が、不人気だったら
審査員に文句いうのさ。
『私が選ばれないはずないじゃない!おかしいわ!!』」
「アハハ、まあ、日本人ってそういうこと言わないよね。」

ロンさんって、日本女性と結婚したものの、あんまり日本にも、
何かしらの枠組みや組織の色には一切染まりたがらない流浪の人なのらしい。

障碍のある方々だけでなく、目の色や皮膚の色、国や風習の異なる人々との交流も、やっと楽しくなってきた。
といっても、ちゃんとルールの決まっている英会話という
ギブ&テイクの時空間だけなんだけど、
折角、世界の10カ国以上の英語の先生たちとは、面白い話もしてきたから、
いつか思い出話を、綴ってみたい。

-追伸-
N氏、な~んだこれだけ?ってがっかりしないでください。

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2006/04/04 21:52 | 仲間 | Comment (0) Trackback (0) | Top▲
仕事は仕事。(♪ウィーンはウィーン)
2006年04月03日 (月) | 編集 |
4月初日の週明けのお仕事。

仕事は、やっぱり厳しい。昨日の頭痛は治ったけど、肩がコリコリ。
でも我慢できるのは、一緒にがんばっていることを実感できるから。
生保の採用は、毎月毎月行なわれている。
そして、私の所属する★支所は、3ヶ月以内に従業員をあと3名採用するというノルマがある。
私が採用される以前から、毎日毎日、雨の日も風の日も採用活動。
そして私も、センパイに習って同じ行動をしている。

今日から1ヵ月遅れにやってきたNさんが、私の後を追いかけてくるように作りたての名刺を持って新規企業の開拓に出かけていった。

そして私は、入社4年目の年下の先輩に同行を頼んで、
年金保険の提案に出かけた。
まだまだ保険の提案なんてちんぷんかんぷんだから、手取り足取りの状態だ。

先週、S支所長に同行にしてもらい、
「提案させてもらっても構いませんか?」
と打診して、お客さんはニコニコ顔で「いいよ」と仰っていたのだが、
桜の3部咲きも映える春の風がそよぐこんな日でも、
お客さんの顔色は、正反対。鬼瓦のように口をへの字に結んでいた。

ガ~~~ン!
「オレ、甘いのキライや。」
「じゃあ、チラシだけでも見てください。」

それでも、ゆきんこは障害児畑で鍛えられただけあって、どうやらひたむきな新人らしい。(と、自分で言うておこう)
「はっきり言うけど、飴ちゃんつけたチラシ配って
よもやま話で仲良くなってという営業のやり方もこっちにはお見通しやから。
アンケート取るのに、休憩室の外で待ち伏せなんて気持ち悪いで。
できることは協力するし、暇つぶしに話もするけど、契約はせえへんで。」

こうやってガツ~ンと言われるのと、会社からビシビシとノルマを突きつけられるプレッシャー

「ただいま~」
「おかえり。ゆきんこちゃん。」
「はい、M所長?」
「あんた、いつもリュックサック背負って営業してたの?」
「はい。別にクレームはありませんでしたが・・・」
「それは格好良くないでしょう。」

手作りのサンドイッチをほおばって、しばし休憩タイム。

夕方4時からはハローワーク前で採用活動。
「お仕事見つかりましたか?」
「はい。」
と素気無く通り過ぎる女性たち。

「K所長、あの人私の元同僚保育士です。アルバイトの契約が終わったところなんですね。きっとしばらくはゆっくり休んで、また再雇用されるでしょうね。」
「そうなんだ~。」
「でも私、声かけられません。」
「いいよ。自分でこの仕事に自信と誇りが持てたら声をかけられる筈だから。」

間もなく5時になろうとする頃、若い女性がK所長の声かけに足を止め、
説明に聞き入った。
大人しくて屈託のなさそうな素直な女性だ。
「私では詳しい説明ができないので、よかったら営業所まで上司のお話を聞きにいらっしゃいませんか?」
「でも、K百貨店で買い物したいので・・・」
「ほんの20~30分で説明は終わります。営業所はここから車で10分もかかりませんから。雰囲気も見てもらえるし、車でK百貨店までお送りしますから。ちょっと待っててくださいね~!」

K所長を待つ間、Bさんが場つなぎに女性に説明を加えた。
女性は殆ど無抵抗に、車に便乗し、我々の話に傾聴していた。
求職者の90%くらいは、逃げるように足早に通り過ぎていくなかで、
珍しい気がした。
・・・っていう私もそうだったのか~!!

「ゆきんこさん、先に降りてご案内して。」
「ここが営業所です。私も3月に入ったばかりなんです。どうぞ」
私はドアを開けて彼女をエスコートした。
椅子に案内して、Bさんと同じことを彼女にして返した。
「こちらにかけてください。お飲み物は何がいいですか?コーヒー、紅茶、緑茶」
彼女はちょっと嬉しそうに注文した。
「それじゃあ、コーヒーを」
「お砂糖とミルクは?」
「ミルク御願いします。」
「はい!」

S支所長が恭しく彼女を迎えた。女性の雰囲気に合わせて、声のトーンを落として落ち着いた態度で慎重に説明しているのが印象的だった。
私のときと随分違うなあ・・・

その向かい側ですっかり仲良しのBさんと談話した。
「ねえねえ、私ブログしてるって言ったでしょう?昨日は車椅子の方が私のブログ見てくれたらしいんだよ。」
「へえ、そうかあ。ゆきんこさん、ほんまに優しいんだもん。」
「よく言われるの。ウフフ。」

女性が、話を終えて帰ってから、M所長が羨ましそうに言った。
「いいなあ~。K所長のところ、また増えそうじゃない?」
「彼女に声をかけたのはK所長ですよ。私、M所長の部下になりましょうか?」
「ありがとう。なって欲しいわ、ホンマに・・・」
M所長がクスクス笑いながら答えた。

「何ですか?わたしの顔、おかしいですか?」
ゆきんこちゃん、あんたって何だか可愛らしいね。」
「そうですか?これで普通なんですけどね。」

1ヶ月そこらで会社の全てがわかっていたわけじゃないけど、
営業所のなかでは自然体でいても、可愛がられたり面白がられたりしているのが、
まあいいんじゃないかなと思っていた。

注意:ゆきんこはコテコテの関西人なので、できれば関西のイントネーションを想像しながら味のある会話をお楽しみいただければ、幸いである。

さて、今からNHKスペシャル「北朝鮮」見ようっと。
戦前、戦中の日本はともかく、現時点では言論の自由がある。
当たり前のことなんだけど、「当たり前」というコモンセンスは、
その時代に生きている人々の考え方や価値観に左右され、そこに命ものっかっている。


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2006/04/03 21:04 | お仕事 | Comment (4) Trackback (0) | Top▲
男女共同参画なんて
2006年04月02日 (日) | 編集 |
昨日はエイプリル・フール。
でも、自分の溜まったブログ日記を読み返していたら
ぼんやりと土曜日が終わってしまった。

朝の連ドラ「風のハルカ」は、最終回、孤児院出身の風来坊カメラマン猿丸啓太郎と結婚式を挙げてめでたしめでたし。
こういう夫婦関係って、私の理想だったりする。

午後7時半から10時まで視聴した「日本のこれから」は、いつも見ごたえのあるディスカッション番組だ。
昨晩のテーマは「男女共同参画」について。
司会は三宅アナウンサーと1年半ぶりに産休・育休から復帰したばかりの
竹内陶子アナウンサー。

日本男性の殆どが、昭和30年代の懐かしい割烹着に丸髷の
三つ指ついて半歩下がっての典型的な大和撫子のままでいいじゃないかと思っているようだけど、
日本女性の大半は、社会進出も儘ならないことに怒りや憤りを覚えている。

そのギャップは、昨今急増している「熟年離婚」や「保育所の待機児童
の増加」「少子高齢化」「男性優遇の長時間労働企業システム」
「地域社会の空洞化」というさまざまな諸問題を増幅させている。

議論の合間に、視聴者にも複数のアンケートが実施され、それを基に
議論を深めていく進行だ。
質問は、
①男と女どちらが得か?
②男と女の役割分業は必要か?
③仕事中心の生きかたを見直すべきかどうか?

この番組を見て感じたのは、個々人の意識改革がどれだけ行動に結び付けられるのかということだ。
限られた従業員を永続的に就労可能な工夫をしている中小企業の社長Kさんは、
「大切な技能を持った社員を失いたくない。辞めて欲しくなかった女性社員が子育てとの両立が不可能になったことを理由に退職したのが、きっかけでした。育児や介護休業も取りやすくするための労働システムの工夫と改革を行いました。社内に託児所を設置し、休業者の埋め合わせ
ができるよう、複数の技能をシェアリングしています。」

ある20代の独身男性が、議論の終盤になって口を開いた。
「育児休業を取って、どれだけ女性の立場を共有できるのか、
その時間の長さはわからない。でも、やってみて体験し、実感しないことには、答えは出せない。」

いいこと言ってくれる男性もいるんだな~

10年以上も前からお座なりのまま、やっと深刻に声高にされてきた
問題で、私にとっては日常茶飯事の話題でもあった。

3月は、仕事も徐々に本格的になって残業も続いていたから、
タイムリーにくたばって、いい番組が見られたかもしれない。

ついでに言えば、晩婚化、晩産化は科学的見地からも、
障害児の出生率が高くなる一因だ。

うちの営業所だけでなく、保育士や療育指導員の中にも女性の喫煙者が多いことや、不摂生なライフスタイルも絡み合っているし、
両親の共働きや離婚で、子どもたちがほったらかしになって、
教育現場も荒れているというスパイラルをどのように改善するのか?

ずるいのかも知れないけど、ちょっと不遇な環境に生まれ育った
今時でない流行最先端の私にしてみれば、
「どうして、こうなるまで気がつかないのかな」
「どんどん悪くなるのがわかっているこんな環境に、結婚、子育てなんて、とてもとても・・・」

「ジュリアナ東京」という浮かれた時代にも
半生を「慢性的憂慮」と共に送ってきた母子なんだから、
宙を見上げるしかなかったわけ。

「すごいね!私たち宇宙の星屑でできているんだよ!」
「自分が生まれてきたことって不思議だね。」


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2006/04/02 17:22 | 悶々 | Comment (0) Trackback (0) | Top▲