背中が痛い、雨の自営業

週明けの仕事はじめ。今日は啓蟄。例年より遅く春一番が吹いた。
午前9時時点では、曇り空だったが、単独での営業活動としては、あいにくの雨で、身動きがとりにくかった1日だった。

Sれい室で、9時半に互礼を交わし、はじめはベルクラブ会員の紹介ビデオを視聴した。
「どんどんたまる。 いろいろえらべる。いつでも使える。紹介した方、された方が得をします!」
ビデオのなかの俳優は、明るく軽やかに宣伝している。
「今日はお友達相手だから、気軽に自分のペースで廻れると思いますよ。」

そういえば、T課長も言ってたもんね。
「自分がいいと思うものなら、自信をもって勧められる!」

しかし、実際は違う。
自転車は却って市街地の中は歩きにくい。
まずは、ボランティア活動をしている心の電話相談室を訪問した。
「こんにちは。どうも。」
「今日は、実は御願いしたいことがあって・・・。」
「なあに?」
「私、就職が決まったんです。」
「そうよかったわね。どこなの?」
「ここです。」
リーフレットを出した。
その途端、Iさんがドギマギと困惑したように、退いたのがわかった。
「そうねえ。今は電話応対中だから・・・」
「そうですね。では、お昼ごろに出直してきてもいいですか?」
「ええ。」

ことば通りに出直して、次には総合福祉施設の4階図書コーナーを訪問した。
「こんにちは。」
「やあ、ゆきんこさん。その後おとうさんはどう?」
「ありがとうございます。今のところ連絡はないので、大丈夫だと思います。ただ、もう階段を自分で上り下りできないんですよ。
この前訪れたら、姉に会いたいと言ってました。
もう30年くらい会っていませんから、父が72歳ですからね、伯母も随分な年齢になっていると思うんです。」
「そうか~、お父さん72歳か」
「はい。身動きが本当にとれなくなってしまう前にもう一度会わせて
あげたいなと。」
「そういうことなら、途中まで送るのを手伝ってあげよう。」
「ありがとうございます。」
「僕にできることならなんでも言ってね。」
「ほんとうですか?」
「うん。」
「それでは、もうひとつ御願いがあります。ここでもいいんですが…」
「そう?じゃあ、奥で聞こうか。」

Wさんは、衝立の奥のビデオコーナーに案内してくれた。
「すみません。仕事の御願いです。」
私はそろりとリーフレットを出した。
「あ~!もう保険はダメ!S生は解約して、今はAのガン保険に入ってる。」
「いえ、契約じゃないんです。売りつけたりしませんから。
ノルマがあって、この会員の名前だけ集めないといけないんです。」
「困ったな~、僕、女性に頼まれると断れないんだ。」
「ご迷惑かけませんから。とりあえずお名前書いてもらうだけです。」
Wさんは不承不承サインしてくれた。
「ありがとうございます。嬉しい!」
「じゃあ、またね。」

さて、出直しの正午にはまだ時間がある。
図書館で少し気分転換して、動物雑誌のメモを取った。

正午過ぎに、再び相談室を訪れると、2名の年配相談員からは、
涙のちょちょぎれるお小言をちょうだいした。
「私たちはもう年金暮らしで、こんなボランティアをさせていただいてますけどね。こんな場所で営利行動をするなんてあなたのイメージが
崩れますよ。息子もアリコに入社してますけど、私は一切かかわってないの。年寄りは騙されやすいでしょう?」
「そうですね。個人情報保護法もありますから・・・。」
「でも、社会勉強にはなるはずよ。お役に立てなくて悪いけど、
ここで営業するのはダメ。他でがんばってきなさい。」
「はい。もうここではしません。」
「まあまあ、おなかすいたでしょう。お菓子とコーヒー召し上がれ。」

惨敗×

再び支社に戻り、カッパを着て自転車で自宅に引き返した。
今度は、裏のWさん宅へ。
「こんにちは。今日は仕事で来ました。昨日御願いしていた書類書いてもらえますか?」
「いいわよ。どうぞ中へ。」
水曜日に早速、口頭で承諾を得ていたので、近況をお聞きしてから、
次の目的地へ。

木曜日に名刺を持って支所長の同行で自己紹介して巡回した23店のうちの1店がご近所で、店長さんが既契約者だったので、飛び入りしてみた。
「こんにちは。お仕事中すみません。店長様はいらっしゃいますか?」
「今日は休みです。」
「それでは、明日は?」
「明日も、月曜日と火曜日が休みです。」
「そうですか。では、また改めて…。こちらはウィークリーニュースです。」

今度は、Fさん宅へ。Wさんの紹介を受けていたが、彼女も古い知り合いのご近所さんだ。
「私、ここに就職したの。」
「いつから?」
「この3月から。それで、早速仕事するように言われてるもので。」
「うちもずっと前に旦那が職場で入ってたみたい。」
「そうなんだ。」
Fさんはわざわざ律儀に証券を見せてくださった。
「アンケートも書いてもらっていい?」
「いいよ。大変だね。」
「うん。ありがとうございます。」

N中学隣の行きつけの美容院のSさんは、外出で店を閉めていた。
最後に、バイクや自転車でお世話になっているFさん。
「なんですのん?」
「あの、生命保険です。」
「あ~・・・ちょっと忙しいねん。もうすぐ税理士さんきはるから。」
「じゃあ、また別の日に。」

とりあえず、行こうと決めて行った心当たりは全て廻った。
自転車で3度目の支社に戻るとトレーナーは、
「あれ?今日は直接営業所に帰社でしたよ。それに、ゆきんこさん、
営業所に電話したの?所長が心配してたわよ。私、電話してあげるわ。」
「ああ!ごめんなさい。3時に電話したらいいと思っていました。」
「朝は必ず、電話するか顔を出してね。」
「はい。以後気をつけます。」

今度は、PCも積んでまたカッパを着る。
営業所まで自転車で20分くらいかかるから、荷物が籠に入りきらないし、濡れないように袋をかぶせたりすると、それだけで鬱陶しくなってくる。

端末に入力するけど、まだ慣れないので、他の人々の手をいちいち煩わせるのもストレスが溜まる。
私の入力を指示しながら、K所長が携帯でアポを取っている。
「所長、次は?」
所長が手で遮った。
「はい。それでは明日、4時半にお伺いします。」

隣で私をスカウトしてくれたBさんも指示してくれるけど、
「ごめんな。私もよくわかってないねん。」
「いえ…」
でも、入力の手際が悪くて、送信したあとに3回も同じ画面を出したり
ペン操作ミスで、見たことがない画面も出てくる。
「こんなの全然やってません。」
「そうなの?もう私もどんな順番で覚えたのか、忘れちゃった。」
アンケートの集計をしているうち、名前を見ても誰のことだったか、
顔が思い出せず、忘却の彼方へ消えていく。

そうこうしてたら、所長は先に帰ってもう6時になっていた。
「あんまり根詰めるとしんどくなるから、もう帰り。」
「はい。やっぱりしんどくなってきました。」
「お疲れさん。」

要る物と不要なものの区別もついてないので、Sれい室に預かってもらっていた記録用紙も置いたままで、はんこやコメントがもらえなかった。
大事な書類は、同じ建物の4階に上がってしっかり施錠しないといけないけど、かなりめんどうなので保管は曖昧になっているとか。
またPCと鞄を籠に入れて、7時前に帰宅した。

「あんたまだ入ったばっかりなのに残業して4月から学校行けるの?」
「う・・ん。初めのうちは、5時までだから。電話しなくちゃいけないって叱られちゃった。」
「携帯持ってないから、買ってくださいって言えないの?」
「自営業扱いだから、買うように言われてるよ。」
「自腹を切るのはおかしいでしょ?会社の経費で落とすべきじゃない。家には携帯を買うお金はありませんって。」
「そんなこと言えないよ。健康診断も自腹なんだから。」
「会社辞めるって言ったら?」
「それならそれで、別に痛くも痒くもないんじゃない?」

それで、昼食も抜きでこんなにブログに綴りなおしていたら、もう9時だった。
ああ、しんどい。背中が痛い。
お休みなさい。




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コメント

色付きの文字ゆきんこさん、大変だね。。。営業って本当に大変なお仕事だと思うよ。あまり頑張り過ぎないでねv-290

上のコメント、色つきの文字初めて使ってみようとしたんだけど、色付きの文字の部分に文章を書かないといけないんだね(恥)。失敗。

ありがとう!野ウサギちゃん。

ダブルでコメントありがとうございます。
コメント入っていると、それだけで元気モリモリですよ。私の場合、気にしすぎるところがあるので、
見守ってくれるとセーブできて助かります。はい。
お互い無理しないで、春を迎えましょうね。

ご相談

いよいよお仕事始まってお忙しそうですね。しばらくたいへんでしょうが、がんばってください。

この間は電話相談のことをお話しいただいてありがとうございました。

ところで、別件にご相談したいことがあるのですけど、そちらは受け付けてくださいますか?

もしゆきんこさんがご存知でしたら、日本国内で誰が緘黙症研究の第一人者で、どこの大学或いは研究機関が活発に緘黙症の研究に取り組んでいるか教えてもらえませんか?
僕はいろいろ専門家にコンタクトをとる案を考えているのですが、如何せん、どこで誰が緘黙の研究をしているのかよくわからないので・・・

たいへん厚かましい質問ですがいかがでしょうか?
もちろん、ご負担をかけたくないので、今ご存じなければお答えいただかなくてもけっこうです。
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