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いい加減にまっとうな大人になりたいという願望があるにもかかわらず、ネオテニーのまま、年を重ねるのもなんだか不甲斐ない。

前回みたいな、キレキレと思しき記述をそのまま遺しておくと、
自他共に「子どもっぽい」と評されても仕方がない・・・

それを裏付けるかのように、稚拙ながらも苦心惨憺して3年係りで仕上がりつつある修士論文の審査は、去る8日の午後9時前に訪れた。

大学院では、いくつかの専門分野のコースに分かれてどうやら殆どのコースの院生の皆さん方は、1月下旬のうちに口頭試問を終えていた。

私の場合、2月以降の家賃を払う余裕がなかったので、実のところは、
私の所属する幼年コースの審査日が2月以降で好都合だったのだけど、
実家に戻って入れ替わりに間もなく遠くへ引っ越してしまう旧友Oちゃんとの別離を惜しんで、Oちゃん宅を訪問したり、特別支援教育士の資格申請書類にもたついていたら、論文の中身は1ヶ月経過して丸ごと自分の頭からすっかり忘却されていた。

約3週間ぶりに論文のファイルを開けておさらいするところからやり直し
一体、試験官3名からどんな突っ込みがくるのか皆目わからないし、シュミレーションもできない。

姑息にも、ゼミのセンパイや他コースで親しくなった院生仲間に事前に
メールでアドバイスを求めてみた。
すると、大抵の返信は
「おちついてリラックスしてがんばってください。」
という内容で、あんまり参考にならなかった。

今回は、問題と目的の先行研究集めと論証で大いにてこずったので、
(指導教官からは常々、書き直し作業の繰り返しで凹んでいた・・・)
しつこく他の文献も読み込んで、自分の論文の中身にまで十分に目を通していなかった。

8日当日は、正午過ぎには自宅を出発して学校の図書室に入った。
「あれ?Nさん、昨日、口頭試問終わったんじゃないの?」
「終わったけど、まだレポートの締め切りがあるのよ。」
「試問が終わった後でよかったね。私なんて試問と同日に2つも締め切り日が重なって、結局、残りの2つはドボンだよ。」

まあ、グダグダ言い訳はいくらでもできるけど、
人間誰しもが、自分自身の限界や身の程をキリキリと思い知らされる場面がある。

本日の審査者は、午後6時30分から3名で、私はオオトリだった。
待ちに待った図書室での約6時間。

図書室の廊下を挟んで向かいの演習室3に在籍していた試験管は、
N教授と、I准教授だった。
「学籍番号と氏名を言ってください。」
「どうぞ着席してください。」
「それでは、あなたの論文について5分ほどで説明してください。」

私は、お達しの通り、何とか受け答えした。
こういうとき、自分では一体どこを見ていたのか、目玉が泳いでいたかもしれない。

内容はともかく、先人たちの「リラックス、リラックス」という助言が
大いに助かった。
念仏唱えのようなプレゼンテーションがなんとか終わると、
まず、質疑は年下准教授のI先生から始まった。
「叙述や質問の内訳ですが、具体的な内容と項目が羅列されているので、イヌに関するかどうかでもっとスッキリまとめたらどうですか?」
「はい。」

さすが、I准教授!!整理してまとめるのがお得意だ。
確かにゆきんこの思考回路も引き出しも分類が曖昧だ。
その点、I准教授は頭の中も理路整然としているし、実際、研究室も
家庭でもこまめに掃除して生理整頓スッキリしているのは事実らしい。

「この論文は大人の応答性やひいては地域の教育力を目指していますが、あなたの所見をもう少し発展的に述べてもらえませんか?」
「従来ですと、教育力は、大人から子どもへ伝授されてきたものでしたが、今回はイヌを介することで、学校でしかるべき教育を受けた子ども
たちのイヌに対する言動が、反対に大人に教育力を発揮するのではないかと考察しました。」
「なるほどね~。確かにエピソードも見せてもらいましたが、大人の応答がこんなに少ないのかと思いました。再検討して今後の課題も是非、取り組んでください。」
「はい。ありがとうございます。」
最後は紳士的にエールを贈ってもらい、ほっとした笑顔だ。

続いてN教授の突っ込みは更に厳しかった・・・
「コミュニケーションの定義はどこに記述していますか?
「すみません・・・」
「対象となる子どもたちの年齢は?」
「小学生までです。」
「だったら、それも記述しないといけませんよ。」
「はい・・・」
「それから、どうしてコミュニケーションの媒介にイヌである必要があるのですか?」
「もちろん、両者の関心を引く媒体であれば何でも構わないのですが、
現場が地域であることと、地域で飼育されている最も身近な動物はイヌ
であること、人間と同等とまでいかなくても、イヌは人間に親しみ、ことばを聞いて従うという特性もあります。」
「私も、幼児期の子どもの心性が動物と合うのではないかと感じています。確か、動物と人間に関連する学会もあるのですね?」
「はい。人と動物の関連学会と、学校飼育動物研究会です。」

でも、2名の教官に「なぜ、イヌなのか!?」と突っ込まれると、
こじつけた言い訳しかできなかった。

「それから、数値で表されているのは、パーセンタイル値だけですが、
検定はしなかったの?」
「私は検定はできません。自分のできる範囲での分析はここまででした。」
「それじゃあ、信頼性ないじゃない。言い訳ですよ。」

・・・という感じでタジタジだった。

最後に司会のY先生からも留めの指摘があった。
「引用文献のリストの記述がメチャクチャだよ。これでは全く信用のおけない論文だ。アルファベット順に並べて。カンマやピリオドの使い方も間違っている。」
「はい。すみません・・・」
「年明けから提出日まで一度も見なかったから気にしてたけど、
考察以下のところは、思ったよりもよく書けていたね。今日指導を受けた箇所をちゃんと修正すれば、通ると思うよ。」
「はい。ありがとうございます。」

その日の調子や、先生の一言一言に生徒は一喜一憂するし、認知が歪んでしまいこともある。
自分の身の丈以上のことはできないし、あ~だ、こ~だと言うのが指摘マン・・・いや指導教官のお勉めだ。

徒歩30分かけて、借りていた文献を図書館の返却ポストに放り込むと
間借りしていたサンビレッジよりも遥かに遠い実家に帰宅したのは、すっかり午前様だった。

結局、PCの前で訂正だらけの3冊の論文の束と首っ引きの3連休だった。

明日は早朝からまた3日間泊まりがけの最後の集中講義だ。
それでは、早めにおやすみなさい。
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