I先生の幻影

2008年3月も残り2日。
帰国したその夜はぐっすり熟睡して、旅の記憶をブログに一気に書き込んだ。

母は今回の長旅で「ボーダー認知症」を自認したようだ。
老化や長年の心労のためか、脳梗塞も数箇所あるらしい。
お土産話と引き換えに、裏のWさんも同じような症状だから、ご近所同士ということでお互いに喧嘩になったら、仲裁に入ろうと笑っていた。

明け方、夢をみた。
I先生の幻影だ。
どうして、こんな人生になったのか?
その源を遡ってみれば、やはりI先生へと私の無意識は戻ってしまうのだろう。
私にとって師事した師匠は数え切れない。
特に、今回の大学院での指導教員のY先生には、過保護すぎるくらいの懇切な指導を受け、感謝してもし尽くせないくらいだ。

I先生も今頃きっと新しい赴任先へと荷物をまとめたか、辿り着かれただろうかという時節を迎えていらっしゃるだろう。
もしも偶然、21日の学位授与式にI先生がお出ましだったらI先生が監修されたABA入門の本にサインをマンド(要求)しようと企んでいた。
けれども、夜間部に修了生のいない指導教員は参加していなかったので、多忙を極めているI先生の姿があるわけがなかった。

私が大学院への進学を果たさなければ、今の私はなかったはずだ。
Pさんと出会い、結婚することもなかっただろう。

そして、PCという神機やインターネットも発明されていなければ、それを介した出会いさえ皆無だったはずだ。
そもそも、かくこと(書く・描く)が大好きな私は、ブログがブレイクする以前の4年前から、メールのやりとりに興じていた。

お返事などはお構いなしに、単純なミーハー根性でI先生の研究室に直結しているHPに定期的に差し出していた。
その期間は、アテネ5輪が開催される以前の2006年から2008年の8月に及んだ。
しかし、大学院に入学を果たしたはよかったが実際にお目にかかれたのは、2006年度の後期に履修した「発達障碍心理臨床特論」と廊下で偶然に擦れ違うだけだった。

振り返れば、2004年には受験を志しI先生に対する追っかけ行動は我ながら恥ずかしいほどかなり
ヒート気味であった。
我ながら、受験を決し挑んだ日々は、どんなつまらない行動にしてもひたむきでいじらしい行動だったと思う。
その私を見守ってくださっていた多くの方々に、私は支えられて今日まで生きてこられたのだと思う。

2006年にブログを開設したことを機に、大学院を主とする日々の記録は、最早I先生への個人メールから「般化」したことになる。
現実には、I先生との接点など一切ないはずなのに、どうして忘れたはずのI先生は夢に現れるのだろう。
他の先生は殆ど全く現れることなんてないのに、おかしいな。

私は高校の校舎の屋上にいた。
時節は卒業式が終わって誰もいなくなった後の静寂だ。
セーラー服を着ているらしいので、卒業証書の円筒を持って、そよ風に吹かれて誰もいない校庭を
眺めて無為になっていた。

人の気配を感じて振り返ると、誰もいない。
けれども、私に気づかれないように屋内から屋上へ続く階段の上り口からじっと見つめられているのがわかった。
(心理学的には、なぜ、背後の人気がどの感覚でわかるのか実証されているんだろうか!?)
私は階段の降り口から階下を見下ろした。
すると、螺旋階段を降りる男子大学生の姿が過ぎった。
過ぎった瞬間、彼は屋上を見上げて私を一瞥した。
そして、螺旋階段を降りて姿を消した。

男子学生と卒業したての高校生の私は、初対面だった。
吸い込まれそうな一瞥の瞳は、彼が私だけを魅了しているのではないことはよくわかった。

I先生と出会ったのは、「オペラント」という懐かしいキーワードを言い放ってくださった医科大学の講堂だった。

以来、I先生が私に直接何がしかの行動なり、プロンプトをすることは皆無だったといっていい。
けれども、消去したはずのI先生はどうして夢に出てきては、私を誘い操るのだろう。
卒業証書を手にしたとはいえ、未来はすぐに見えてこない。
足を踏み出し、行動するしかないのだ。
高校を卒業してからの年月は、それまでの人生よりも超過してしまったのに、
私の新しい就職先は、巡り巡って合格を果たしたキャンパスのある街に所在している。

I先生も、私と同じ年に大学を異動されることになった。
ああ、もしかして、I先生。
私はI先生にお会いできないことがわかっていて、いつか差し出したメールで「夢でお会いしましょう。」としたためたことがありました。

ああ!
これは、私の全く馬鹿げた独りよがりでオペラントな夢分析です。
それで、先生は私を目前で不合格にした手前、ずっと気にかけて下さっていたのでしょう。
私があんなにも先生を慕って独学で研鑽した日々をご承知だったでしょうに、全くご褒美なんてない
現実に挫折しそうになり、ABA道を自ら断ち切ろうとした時も、やはり夢や幻影として私を見守ってくださいましたね。

なんという師でしょうか!
私はI先生に何ひとつとして師事していないのに、
夢の中でさえ、私を誘い諭してくださるなんて。
こんな信じられない師の中の師が現実にいらっしゃるとは、
ただ、畏れるばかりです。

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テーマ : スピリチュアル - ジャンル : 日記

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