日常の当たり前の何気ないことの中に 「あっ」というささやかな発見を一緒に 味わってくれませんか? でも、もしかすると、見過ごしている当たり前でない大発見かもしれません。
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毛虫でおおはしゃぎ
2005年09月27日 (火) | 編集 |
涼しいが、一日中曇り空だった。
今朝のミーティングでは、昨日、夕刻に保育所を訪れた
ある母親の語りを元に、報告も兼ねて、参加した正職員から
一言ずつ、感想が述べられた。

「保育での接し方、ことばかけの大切さを改めて感じた。
『胡坐をかいていないか』といったことも胸に沁み、お母さんの
3年間引き摺った辛い思いがわかった。」
「信頼関係のボタンの掛け違い、足の怪我の写真を実際に見せてもらい、教訓にしなければならないと思った。Yさんがこのことを
関係者に伝えるのに、すごいエネルギーを使っていると感じた。」
「丁寧な対応が大切だ。言わないと伝わらない。」
「親としての思いは同じ。わが子への強い思い、大変な思いで各保育所を廻っていることに、自分の中におちたものがあった。」
「独身の私には、自分がそれだけわが子のことを思う母親になれるかと
話を聞いた。」
とても辛かっただろうな、色んな辛いことが重なって、不信感が
積もり積もっていった。いろんな保護者がいろんな境遇を背負っている。それに寄り添えるかどうかが大切。」
「一方的でなく、聞くことが大切。保育士という仕事の重み、深み
位置づけを怖いと感じた。連携の大切さ。」
「保護者の受け止め方の実例として勉強になった。」
「教訓を生かすとは、泣き叫んだときのしんどさの共感。」
「すれ違ったままだったことを改めて感じた。トラブルや怪我は
全くなくすことはできないが、そこから逃げずに立ち向かう集団に
すること。信じあう、共感しあう、保護者との信頼関係。」

信頼関係、共感、連携ということばが、専門分野でも
あちらこちらで踊っている。
わたしは、なぜだか、このことばの意味がよくわからず、
実感できない、もうこの仕事を10年以上はやってきたつもりなのに。
この目に見えない心情を2者以上の人間で、どう実感しているの
かを確証するのに、どんな術があるだろう。

ミーティングの時間が瞬く間に過ぎ、わたしは一時
遊戯室に入って、幼児たちが整列する最後尾に加わった。
そうすると、わけもなく腕を振ったり、回転したり、
後ろの友達にちょっかいを出したり、という男児たちが
目に付き、何となく鬱陶しくなっている自分は
やっぱりこの仕事に不向きなんだろうと思う。

心のエキスパートの臨床心理士といえども、人の悩み事ばかり聞いていたり、無益な愚痴や罵りを聞いていると仕事でもうんざりしてくるのに
似た感じかもしれない。
去年の今頃は、その受験勉強にまっしぐらだったことを思い返すと、
その時は落胆したが、今は不合格で本当によかったと思える。

また、いつものように、タロウチャンの水浴びをしていると、
所長に呼び止められた。
「子どもたちが毛虫を見つけたので、ちょっと取りにいってください。」
わたしは、毛虫を漬けた洗剤液の入った黄色い小さなバケツを
手渡された。
数人の子どもたちが、わたしに群がり、
「こっちこっち!」
「どこどこどこ?」
とジャングルジムの近くの木に案内する。」
わたしが割り箸で毛虫をつまむと、声をあげて盛り上がる子どもたち。
「見せて見せて!」
口々に黄色いバケツの中を覗き込んでは、
「うわ~!!」と歓声をあげる。
「そんなに楽しい?」

楽しいのかな~?
今、9時20分のTVでは、男子大学生のシンクロナイズドスイミングが
オンエアされてるんだけど、
そんなに美しいパフォーマンスかな~?

「はいはい、触ったら毒が廻るかもしれないから、
もうおしまいね。」
そう言い放って職員室に持ち帰った。

昨日の続きで園舎裏側の窓拭き掃除を昼食まで行った。
ちっとも飽きないし、窓の汚れが雑巾にバケツの水に移し変わって、
真っ黒になるのが、何となくカイカンのわたしは、
案外、お掃除おばさんになれそう?なんて思う。
そろそろ、片付けようと思っていたところへ、4歳クラスの
女の子がやってきてわたしに話しかけた。
「なにやってんの?」
「窓拭き掃除だよ。」
「うわ~、ここ真っ黒。」
「そうなのよ。なかなかとれないんだ。」
「歯ブラシで擦ったらいいよ。」
「そうだね。すごい!どうして歯ブラシ使ったらいいって
知ってるの?」
「おばあちゃんが言ってた。」
「そう。おばあちゃんと一緒に住んでるの?」
「うん。」
「おばあちゃんにいいこと教えてもらったね。
 うちにもおばあちゃんいるよ。おばあちゃんになったせんせいの
おかあさん。え~70歳。」
「ふ~ん。」
「歯ブラシ使ってるんだけど、取れるかな。」
「ちょっと貸して。」
女の子は、自分から手伝い始めた。
「あら、いいの?助かるなあ。」
こんな小さな女の子の掛け値なしの親切に心が温まる。
「もういいよ。先生もお腹すいちゃった。
手伝ってくれてありがとう。」

Rくんは、午睡の時間までわたしのところへ
殆どくることもなく、1時過ぎに遊戯室に入ると、
窓際の端にタオルケットに寝転んで大人しく待っていた。
「Rくん、昨日はAちゃんと競争して、惜しかったなぁ。
Aちゃんのほうが、ちょっと早かったんだ。
今日は、RくんとYちゃん、どっちかな?」
Rくんは、素直にわたしの暗示にかかってくれ、
15分には目を閉じて安らかになり、20分には眠りに落ちた。
それでも、わたしが背中のマッサージの手を止めると、
それを察知して、わたしの手をぎゅっと握った。
わたしはもう片方の左手で隣のYちゃんの背中をマッサージ
すると、いつもは2時ごろまで寝付けない彼女も
数分で眠った。

30分で3歳児を中心に半分くらいの子どもたちは眠ってしまうが、
5~6歳になると、2時を過ぎても寝付けない子が何人か
残るので、そういう子も寝かしつけるのがわたしの役どころになった。
次にイガグリヘアーがトレードのTくんの頭を
マッサージしてしばらくすると、彼ははじめて
口を開いた。
「せんせい、あのね、ぼく今度、お兄ちゃんの運動会に
お父さんと行くんだ。」
「そうか。楽しみだね。先生にも教えてくれてありがとう。
じゃあ、おやすみ。」
「今日は眠れないな」
「そうだね。眠れないときもあるよ。トントンとマッサージ、
どっちが気持ちいい?」
「こっち。」
「わかった。」
わたしはTくんのイガグリを少しゴシゴシと小刻みに擦った。
2時になる前にTくんは眠った。

主任のY先生から指示があった。
「2時からは乳児室をお願いします。あなたには誰も泣かないから。」
昨日窓越しのベッドの中で鼻を垂らしていたリンちゃんは、
カゼでお休みだった。すやすやと眠っている赤ちゃんたちも
風邪気味で鼻がつまり、呼吸が苦しそうだった。

乳児室に入れるのは嬉しいが、もうあの事故以前のように、
「伸び伸びと」という心持で赤ちゃんたちとは遊べない。

きっと本当に開放感を味わえるのはここを去るときなのだ。
わたしというお荷物を放り出す今月末で何かが即決するわけでも
ないのだが、母のことばをそのまま引用すれば、
「あなたのしでかした事で、その保育所の皆さんに心配かけたのは
間違いないんだから、やめてケリをつけることで少しは肩の荷が
お互いに下ろせるのはいいことなんじゃない?」
「そう。そう思うよ。」
「少なくとも、子どもたちに慕われてるんだから、全く役に
立っていないわけでもないと自分で思うんでしょう?」
「そうよ。」

こんな母の傍にいられることが、サイコーだと思った。
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2005/09/27 21:59 | 保育 | Comment (0) Trackback (0) | Top▲
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