日常の当たり前の何気ないことの中に 「あっ」というささやかな発見を一緒に 味わってくれませんか? でも、もしかすると、見過ごしている当たり前でない大発見かもしれません。
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プチ送別会
2008年10月04日 (土) | 編集 |
8月末まで授産施設の☆班で相棒だったO氏からお誘いを受けて、送別会代わりのお食事にでかけた。

勤務先は川向こうのI市に所在していたが、O氏の居宅はゆきんこと同じ市内なので、気軽に同じ市民同士で11時30分に駅前に待ち合わせた。
月曜日から金曜日のデイタイムはO氏と☆班のメンバーでがんじがらめだったけど、仕事を離れて、休日の午後にランチをご一緒すると、自然、開放感と笑みがこぼれた。

O氏によると、ゆきんこが去ったからといって赤字累積状態がエンドレスに続くワーク☆の運営も経営も危ういことには変わりない。
だから、4月にスタートした施設が落ち着くまでには、3年以内に古参メンバーの入れ替わりもあるだろうし、O氏自身も「時間の問題」なのだという。

但し、18年間障害者更正施設で最重度の問題行動だらけの方々と格闘してきたO氏のコメントでは、
「あんたはもう、福祉はやめといた方がいい。これ以上やせ我慢しないで、自分に合った仕事を選びなおせ。」
と再度、釘をさされてしまった。

「そうですね~。私も曲りなりに続けてきたのは、やっぱり利用者さんたちが好きだから。でも、今回は新規オープンということで期待が高かっただけに、スタッフには幻滅も大きかった。運転士のAさんが言ってましたけど、『この(障害者相手の)仕事はバカかよほど善良かのどちらかしかできない。』って。それで、どちらが生き残っているかといえば、バカの部類の人たちです。」

「うんそうだよ。善良なだけじゃ、潰れてしまうし、バカな奴らがいい奴を潰してしまうんだ。」

「それでは、利用者さんのためになりませんよ。」

「特に、新規オープンの施設というのは、縄張りの確保をしたがるんだな。利用者サービスよりも自分の私利が勝ってしまう性質の人間が管理職になると、福祉施設は質が低下していく。古参のベテランはやっぱり後輩を指導してフォローしなくちゃいけないのに、☆の年配のスタッフたちは足ひっぱりばかりだろう。それで人間性が丸出しになったから、オレは即刻辞めようと思ったんだ。」

「今回はいい勉強させてもらったと思ってまた仕切り直しです。もうどこへ行っても期待せずに淡々と仕事をしたいですね。」

「あんたの人の良さが上手く活かせる仕事が見つかるといいんだけどなぁ。・・・オレっていい奴だろ?」

「はい。辞めたあとのことまで心配してもらってありがとうございます。私よりいい人ってあまりいなかったんですけどね。だからOさんは損ばかりで儲からないでしょ?今日は妻並みの待遇ですけどいいんですか?」

「今日はいいさ。あんたの送別会なんだから。ホントに妻並みの待遇だな。。。」

「お互いのパートナーに悪いでしょうか?でも、あくまで同僚ですから。」

アジアンデイズで90分食べ放題のデザート付き飲茶コースでお腹を満たすと、今度は私がO氏を誘った。
「Oさん、まだ時間大丈夫ですか?」

「ああ、移動してシフォンケーキでも食べに行く?」

「その前に腹ごなししませんか?一緒に行くならOさんがいいなと思っていたところです。」

「どこだい?」

「総合福祉施設の奥にできたホースセラピー牧場です。」

「へえ。」

正午を廻ると、日差しはさらに強くなった。
そもそも初訪問するにはヘタレなところがあるので、福祉業界にどっぷり浸かったO氏に同伴してもらうにはいい施設だった。
施設の概観から真っ先に目についたのがフェンスに掲げられた複数の企業広告だった。

「ちゃんと大手のスポンサーついてるんだ。」

「こういう施設も企業と連携してちゃんと設けているんだぜ。」

事務所のカウンターで1日見学料300円を支払った。NPOなのにやはりタダでは見せてくれないらしい。

ポニーや引退したサラブレッドが柵の中をのんびり歩く姿が心地いい。

「ああ、馬がうらやましい~!今度、ここへみんなを連れてこよう。」

木陰のベンチに腰掛けて、O氏と1時間ほど談義を再開した。
O氏が真面目すぎるのか、元同僚だから仕方ないのか、話題は☆班で語らっていた内容の延長で、
障害児福祉施設の経営・運営や未来展望などなどに終始した。そして、プライベートの話。
何せ、ゆきんこの新婚生活ははっきり言って前途多難。
O氏とゆきんこではどっちが波乱万丈だろう?
というくらい他人事ではない半生を開示しあえる間柄になっている模様。
それというのも、福祉は人間関係のドロドロが渦巻く環境と格闘してきた日々とゆきんこの生い立ちまで聞いてくれたO氏は、この業界に見切りをつけないと幸せになれないということを諭してくれたのだ。

「あんたも家のことは口外しないほうがいいんじゃないか?他人は事情もわからず言いたいことを言うさ。」

「心配してくれてるから干渉も仕方ないと思うのですが、夫に私の周辺の外聞を言っても仕方ありません。自分で差し止めておかないといけないのがしんどいですね。独身と何も変わらないのに、結婚したらしたで、周囲がこんなにうるさいとは思いませんでしたよ。確かに心配はかけていますが、迷惑はかけていないでしょう?と言い返したいです。」

「もうやせ我慢するな。結婚は二人で決めたことだし、あんたたちのキャラで選びあったんだろう。
それなら仕事は福祉にこだわらない方がいい。だいたい福祉の仕事を敢えて選ぶ人間にはそれなりの理由があるんだ。大抵は結婚していないか、しても子どもがいないか。特に障害者福祉は本人だけでなく家族の支援も必要だから、自分の私生活との両立が難しいんだよ。」

「じゃあ、Oさん、一度は去った障害者畑にどうしてそんなに喜んで戻ってきたんですか?」

「ん?オレはあいつらが本能のままに生きることそのものを楽しんでいるのが羨ましいんだ。Dなんかそのまんまだろ?眠くなったらその場に寝転ぶ。やりたくないことはやらない。でも、それを全部許してやるから、あいつはついに仕事を拒否しなくなった。」

「はあ、確かに・・・何者にも縛られない自由人ってことですか?」

「うん、そう。オレは、あいつらを障害者だとか、精神薄弱とかいうのはおかしいと思っている。あいつらは、ただ目標を決めれば、後から時間がかかってもやれるのさ。だからややこしい専門用語なんて使わずに『知恵遅れ』でいいんだ。あいつらといるとオレの野性の血が騒ぐんだ。そうじゃなかったら、もっと儲かる仕事に就いてるさ。」

「Oさん、心底この障害者の仕事が好きなんですね。」

「オレは思春期には相当荒れ狂っていたんだ。だから、生まれ育った夜の都会の光景がこの地方都市よりも心地いいのさ。まだ20代若さをぶつけあうには、障害者のむき出しの世界がいつしか、オレの不良性にいい作用があったんだな。そのオレの野性と障害者の本能のままの姿が響きあうんだ。」

「ドクをもって毒を制すってわけですね。」

「そそそそ!あんたは、楽しい話をするのが上手だから、キャディはいいと思うよ。ものは試しくらいで、無理なく続けられる仕事にしたらいい。」

「そうですね。今までの仕事はボランティア程度がいいかなと思っています。どうぜ、不景気でボランティアしかないし。もし、近々利用者さんと来るなら私もここで手伝えるように手続きします。」

「ああ、もう今やるの?」
たばこをくゆらせていたO氏は、携帯の灰皿に吸殻を入れ、ベンチを立ち上がった。

ボランティア登録するにしても、年間登録料が2000円とはなんでだ!?と思うけど、こうやって財布から出費がかさんでいく。初のボランティア参加は菜の花の苗付けで10月15日に予定が決まった。

「オレが教えた苗付けが役に立つじゃないか」

「はい。今日はごちそうになっていいんですか?」

「いいよ。」

「ありがとうございます。今はとりあえず、財布の中にお金があるってことですね?」

「あんたうまいこというなぁ~」

「いえ、失業したのですから、お金のことは切実ですもの。。。私もこの看板みたいにスポンサー探さないと」

「じゃあ、オレ買い物するからここで。」

「ありがとうございました!」

私にとってはO氏は、子育てを終了して、ややくたびれかけた好感度高めの親父世代に見えるのだけど、笑顔の向こうには、重度障害者の方々とさまざまな試練を乗り越えてきた野性が息づいているのだと思えた。

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2008/10/04 17:38 | 仲間 | Comment (0) Trackback (0) | Top▲
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