ゆきんこの引き出し

日常の当たり前の何気ないことの中に 「あっ」というささやかな発見を一緒に 味わってくれませんか? でも、もしかすると、見過ごしている当たり前でない大発見かもしれません。

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今週、就職活動へハローワークに出かけてから、連日ボランティアなどで外出すると、ブログに更新したい新規イベントが目白押しだった。
にもかかわらず、帰宅すると疲れきってしまいメールを確認するだけで返信もできずに、早々に布団を敷いて就寝してしまっていた。

10月中旬の本日も絶好の行楽日和。
熱くも寒くもない雲ひとつない快晴に恵まれ、母の知人つながりで誘われた「福祉バスツアー」に参加した。

参加したグループは「新生友の会」
ストーマという人工肛門・人工膀胱を利用するオストメイト(身体障害者手帳所持者)の方々は、全国に約30万人、大阪府内に5000人、私とPさんの故郷地区で約700人といわれる。
ストーマは病気ではないが、生活の不安を抱え、トラブルを抱えることは少なくないという。
そこで、「新星友の会」はオストメイトの方々が安心して快適な生活に役立つ活動を行なうことを目的としている。

今回は全然関係ないはずのゆきんこがなぜか、この会のメンバーに厚かましく臨時参加させていただいた。
なんでも、4名のドタキャンがあって急遽、穴埋めに参加しないかとこの会にかかわるスタッフからお誘いを受けた。
そして、母は娘の私と、ご近所の知人2名を誘い合わせて便乗させてもらったのだ。

「だんだん」で双子姉妹の出生の秘密を離婚して生き別れた初対面の父母から告白されたところをしっかり見終わって、8時30分に出発。
午前8時50分に待ち合わせ場所の総合福祉会館前に待ち合わせた。
この臨時の4名ときたら、主賓のオストメイトの方々に何の配慮もなく単なるルンルン気分で専用福祉バスに乗り込んだ。

会長で幹事役のNさんが、当事者なのに終日バスガイド役で約20名の参加者に色々の配慮をしてくれた。
車両内でも参加者に楽しんでもらえるようにお菓子やビールを配ったり、スケジュールの説明、
注意事項などを入念に伝えていた。

オストメイトの方々には、その障害の性質上、長時間の外出に伴うトイレ行動に大変な労苦を伴う。
だから、大半の方々は外出を億劫がって家庭内に引きこもりがちの生活に陥ってしまう。
そして、そもそも健常者だったプライドが邪魔をするのか、自らの障害を公言し、カミングアウトするにも勇気が要るのだそうだ。
「僕なんかは、これでも障害者にみられたことがないんですよね。」
と、どこからみても健常者のN氏が気さくで朗らかに参加者をリードした。

出発して1時間のうちに最初の目的地である「奈良国立博物館」に到着した。
本当は、来る正倉院展を鑑賞する予定だったのが、毎年、黒山のひとだかりで宝物を垣間見るしかできない環境では、オストメイトの方々には無茶だろうということで断念したそうだ。

さすが、いにしえの都、奈良の宝物はどれもこれも目を見張ったとしても果てしなく謎めいている。
バス中から隣席のSさんと並んで、菩薩さまの手の形や顔の表情などが実に個々1体ずつ違っているのかを見比べていると、とても制限時間40分では足りないという感じだった。

印象的だったのは、仏教の本家本元インド・ガンダーラ仏像の数々だった。
思わず、ゴダイゴのヒット曲「♪ガンダーラ」を口ずさみたくなりそうになった。

「それでは、ハプニングで朱雀門に寄りたいと思います。」
車中で、携帯のメールが親友のOちゃんから届いた。
朱雀門を背景に、参加者全員で記念写真撮影。
朱雀門の傍まで近づき、Oちゃんに写メールを送ろうとシャッターを切った。

会長のNさんが、少し困った様子でゆきんこ一行4名に言った。
「健常者がどんどん先を歩いていくと、ヤキモチをやく方がいるのですよ。
どうか、時間と行動範囲はグループ内で守ってください。」

障害といっても、色々さまざま。
表にはっきりと見えない障害ほど、普通といわれる人々にはわかりにくい。
私もN氏に言った。
「すみませんでした。でも、母には聞こえていません。離れたところからでは耳が遠くて。」

スケジュール通りに正午前には、バスは次なる目的地の「私のしごと館」に到着した。
「私のしごと館」は、バブル景気終焉期の1990年代後半に学研都市計画で、京阪奈地区に指定された京都精華町に位置する。
中身は、学齢期の児童・生徒を対象とした「キャリア教育」の総合施設で、総合学習やら、郊外学習で
利用されることが殆どのようだ。
一応、国立国会図書館と並列する国立の建物だけど、累積赤字経営でお取り潰し対象になっているらしい。

「へ~、珍しいところにつれてきてもらったわ。」
「Sさん、初めてですか?」
「ええ。ここってどこかしら?」
「奈良から15分くらいでしたね。車は便利ですが、公共交通機関だと、ウチから2時間半もかかります。途中で何度も電車が止まって、待ち時間が長いんですよ。」

そもそも寂れた野山を新開発する計画がバブル崩壊で中途半端になってしまった土地柄だから、赤字経営でも仕方がないのだ。
国立国会図書館があろうと、しごと館があろうと、巨大ショッピングモールがあろうと、
やっぱり都市部の人々がわざわざやってくる土地柄じゃないのだ。
とどのつまり、莫大な税金を投じて都市開発したのに、全く採算がとれなかった「無茶無駄町」という異名をゆきんこがオリジナル命名しておこう。

まずは、館内レストランで予約席に座り、特注のお弁当をいただいた。
メニューはいくつかあるのだけど、シニア世代の嗜好を慮って、脂肪の多い洋風定食ではなくわざわざ
和食弁当を取り寄せて用意してもらったそうだ。
「戸外でお弁当は嬉しいけど、予約席で折り詰めのお弁当よりも、家族連れがめいめい好きに注文した複数の皿の並んだプレートがなんとなくおいしそうですね・・・」
「隣のなんとかはよく見えるのよね。」
6人がけの6角形のテーブルに4人が座ると、ゆきんこの隣の空席にシニアのオストメイトの男性が1名
加わった。
お茶と味噌汁が配膳されると、各々が無言で弁当を食した。
一通り食べ終わって、母が私に弁当を固定していた輪ゴムが欲しがり、集めた。
すると、シニア男性も自分の弁当にかけていた輪ゴムを外して手渡した。
「ありがとうございます。何でも捨てる前に何かに利用するらしくて・・・」
「大事なことですよ。モノを粗末にしていたら、今にしっぺ返しがきます。」
「しっぺ返しがきますか。昨夜もテレビで放映されていました。世界的食糧危機の話。」
「そのうち、小判をかじって餓死しないといけないかもしれませんぞ。」

それからが、W氏のいい話し相手になってしまったゆきんこ。
戦前生まれで戦争で人を殺したこともあったという老人W氏は、社長を引退して今は、会長であること、地域のPTAの会長も務め、昨今の日本の教育や宗教が政治・社会の様相に悪影響を及ぼしていることを滔々と話し続けた。
あ~・・・

「ところで、あんたはどこに住んでるんだ?」
「M町です。」
「M町ってどこだ?」
「市民の方でも知らない方が多いのですが、☆病院の近くです。」
「ああ、ワシはあそこに入院しとったんだ。」

Nさんの声かけで、W氏のお相手から解放され、いよいよしごと館のゲートに入った。
・・・といっても、午後も当然、集団行動の窮屈さがつきまとう。
はじめに1時30分から上映される30分間のしごとシアターを鑑賞した。
身近な衣・食・住にまつわるしごとの中で会場の多数決で、探索する仕事内容のシナリオが選択できるようになっている。
9つのストーリーのうち、③住まいのなかの①台所に焦点を当てた「冷蔵庫」にまつわる仕事のストーリーが選ばれた。

これを説明していると大変だけど、一応、説明してみると・・・
冷蔵庫は、1200の部品から成り、ドアの開閉試験を市場販売するまでに2万回行なうこと。
冷却装置の心臓部に値するコンプレッサーを作る鋳物製造工場での一連の工程。
過去10年間のうちに研究開発の貢献によって消費電力は6分の1にまで削減されたこと。
消費者のニーズを反映させたデザインと機能を備え、より使いやすい新製品が研究されていること。
ベルトコンベアーで数え切れない各部品担当者のチームワークによって精度の高い1台の冷蔵庫が完成すること。
最後に、廃棄された冷蔵庫が粉々に細分化され、その75%は再利用されていること。

2時から30分間は館内を自由見物できるのだけど、広すぎてうろうろしているだけですぐに時間制限がきてしまった。

それでも、CGを簡単につくれるコーナーや楽器の調律コーナーを一瞥することができた。

いよいよ2時30分からお待ちかねのしごと体験コーナー
Sさんとゆきんこは、母とRさんペアとわかれて「京房・くみひも」のグループに参加した。
インストラクターが開口一番「小学校5年生以上なら誰でもできます。」と言ってくれたせいか、
隣合わせた未知の女性と話しながら、くみひもつくりを楽しめた。
昼食で一緒だったW氏も黙々と指を動かしていた。

インストラクターに「なかなかいい出来栄えです。」とほめてもらった。
すると、私の作品を見て、参加者のうち聴覚障害の男性が、冗談めいてジェスチャーで
交換しようと自分のくみひもを差し出し、私のを受け取ろうとした。
私は大げさに手を横に振って「ううん~」と拒否した。
男性と両となりの若い手話ボランティアの女性が一斉に笑った。

そんなこんなで、全員が無事に「菊結び」のストラップを完成させた。
他にも「あわじ結び」「おとこ結び」「叶むすび」の4種類のくみひもを体験した。

一方、待合室で合流した母とRさんは、「リカちゃん人形の小型製品組み立ての仕事」に参加した。
「どうだった?」
「簡単だったから、すぐできてつまんなかった。」
「でも、小さい子どもにおみやげになったよ。」
「Pさんの姪御さんにクリスマスプレゼントになるよ。」
「そうだね。」

午後4時にバスに乗り込み、着席すると、疲労感と眠気を催した。
スケジュール通り、5時にバスは総合福祉会館前に戻ってきた。

新星友の会の皆様、大変、お邪魔しました。
是非、これからも臆することなく、旅と出会いとハプニングを楽しんでください。
お疲れさまでした。
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