F教授退官記念講演会

今日から弥生となり。
昨日、2月28日付けで私の肩書きは抹消され、またもや失業中。

しかし、ギリギリの肩書きをつけてPさんと午後から終日出席したのは、神戸ポートピアホテル地下1階の布引の間。
大きなホテルにめかしこんで出かけるのって好きじゃない。
Pさんが一緒に同伴してくれというのと、大恩師のF教授の退官記念となるありがたい最終講義に招待を受けたとあっては、身銭を切って出席することに大いなる意義があるのだ。

それもこれも、誰かがアクセスしようとしまいと、私がブログを更新しつづけてきたこととつながっていることなのだ。

1時過ぎには、数え切れない(といっても概算300名くらいの)F先生にご指導・ご鞭撻を受けた錚々たる教員・心理士を生業とする方々が続々と布引の間に着座した。
「こういうところって場違いな気がするんだよね・・・」
定刻午後2時になり、I教授の司会進行で開演された。

私は恒例のその場メモに勤しんだ。
この栄えある2度とないF先生の退官記念講演会を一言一句逃すまい・・・と。
その記録は、ブログでアップしてしまうと、やっぱり著作権違反になるんだろうか?

元保育士の私としては、初めて拝聴したF先生の学童期の思い出だった。
家庭環境は大変貧しく、そのせいで子どもたちからはやされたり、いじめをうけた。
学校では黙り込んでうつむいていた。今、思い起こせば場面かんもくだったと思う。
そんなときに、やさしくしてくれた大人の真心がその後の先生の原動力となっている。
ずっと話し出すのを待っていてくれた先生の期待に応えようと恐る恐る口を開いたそうだ。

長らく子ども専科だった私としては幼少期の禍根は、加齢と共に尚鮮明な印象を覚えた。

F先生の教えを尊び、信頼してこんなにも多くの心ある方々が一同に会し、先生へのお祝いとお礼のことばで満ち溢れた1日だった。

第2部の「寿ぐ会」にもPさんと同席したのだけど、どうにも居心地のよさを感じなかった。
「私、パーティーって好きじゃないんだ。」
「え?ゆきんこさんらしくないな。」

だってそうだろう?
周囲は皆、臨床心理士や特別支援教育の第1線で活躍する先生たちの集団なのだ。
所詮、アウトサイダーの一体何回失業してる私がこんなところに座っていることはおかしいのだ。
でも、悔しい。そして、華やいだところにいると返って塞いでしまう自分を感じていた。
多分、ここに集った人々から目には見えない憂いを私なりに感じ取ってしまうからなのか?
この感情はどこから、いつから沸いてくるのか・・・
やはり、何気に二ーチェかな。

金屏風の飾られた壇上でF先生への祝辞が来賓各位から披露された。
その中には、1992年F先生の助手であったI先生の姿もあった。
私のカバンの中には5年前に大学院受験を志した当初は、I先生の著作があり、
昨日は、F先生が敬服していらっしゃる恩師N先生の「リラクセーション」があった。

上座から下座へと、各テーブルはF先生の笑顔と来賓の笑顔の渦に包まれていった。
Pさんと私が座った24番テーブルは、あんまり会話が弾まない席だった。
そもそもF先生の愛弟子でもなんでもないPさんと私、門外の規卒のセラピスト、その他学外の関係者の雑魚テーブルなので、共通の会話なんて出てくるわけがない。
「私、去年の修了式でこの方たちにも名刺を配ったの。」

「誰かと話をしたのかい?」
すかさず息を弾ませてF先生が私の右隣に座ってくださり、左にはPさんに挟まれた。
「私はAさんを知っていますが、Aさんは私を知りませんから・・・」
Aさんは、無反応に背後に回った。
一同が笑顔を作った。一度、テーブルはカメラのフラッシュライトで眩しく光った。
F先生がPさんと私に握手をしてくださると、すかさずPさんの耳元に助言をくださった。

人々のざわめきに紛れて、Pさんと私はお達し通りに行動を起こした。
その姿を観察していた憧憬の人がいた。
アイコンタクトした者同士だけが気づいていた。

最後に、F先生が花束を抱えて満面の笑顔で大宴会場を出ると拍手はデクレッシェンドして、人々の会話でざわめいた。
私はゼミ生モドキだった時にお世話になった保育士のMさんとNさんを探すために、Pさんと別行動をとった。
「N先生、ご無沙汰しています。厚かましくゼミにお邪魔してすみませんでした。」
「ゆきんこさん、結婚したんですってね。」
「あれ?N先生に言いましたっけ?」
「F先生から聞きましたよ。」
「F先生が?でも、紙切れだけの別居婚なんです。指輪もないですし・・・」

Pさんが2次会も参加したいというので、3000円のコーヒー代を奮発するか否か、考えあぐねた結果、
退散することにした。
エンゲル係数が高くなる一方だから、今のところPさんと私には100円コーヒーがお似合いのようだ。

別れ際に、Pさんに呟いてみた。
「ねえ、もうすぐ結婚して1年だけど、一緒に過ごせるかな?」
「ごめんな」
「・・・いいよ・・・」

夢と希望と感謝
だけでない2月の終わりだった。
みんな私の大好きな、ブログに頻繁に使ってきたことばだ。
今の私はなんだか屈託のない素直な笑顔を作れずにいる。
自然、口元はへの字に歪む。
こんだけ勉強して働いてきたのに、何度も失業して新しい進路も、新居もなければ、子どもを生んで育てられる安心できる環境もない。凡人はさすがに笑えないよね。
F先生はPさんの将来に大きな期待を寄せても私にはそうでないこともわかっているからだ。

♪なんだか泣けてく~る♪
スポンサーサイト

テーマ : 思ったこと・感じたこと - ジャンル : 日記

コメント
コメントの投稿
管理者にだけ表示を許可する