ゆきんこの引き出し

日常の当たり前の何気ないことの中に 「あっ」というささやかな発見を一緒に 味わってくれませんか? でも、もしかすると、見過ごしている当たり前でない大発見かもしれません。

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離職票のサインと印鑑がもれていたという理由で、午前11時ごろ先の職場を訪問した。
「エヘヘ、こんなヘマしてごめんなさい。私もクビになるわね。」
「そんなことおっしゃらないでください。胸が痛みます。」
上司が少なからず罪悪感をもっていることはわかった。
「それじゃ、お世話になりました。」
ガラス越しにマー君の小母ちゃんが待っていてくれた。

「Dさん来てくれたの?」
「どうしようかと思ったけど、もう当分来ないんだよね。ちょっと寄っていって。」
「ありがとう・・・Dさんがここに住んでたから母と私を呼んでくれたんだよね。」
何を隠そう追われた職場は、小学生の頃、マークンと私が住んでいた文化住宅の向かいにあった。
その文化住宅の跡地には一戸建てが数件並んでいる。
当時、母が離婚して実家に戻れず、母の同僚だったDさんが空き部屋に呼び寄せてくれたという縁が
続いている。

Dさん宅の前を素通りしてもなかなか室内にまで招いてもらえない深い理由があった。
「本当にいいの?」
「いいよ。」
「ありがとう。Dさんの気持ちを思うとずっと気にしていたけど、なかなか頼めなかったんだ。」
門扉をくぐると、庭先で遊んだ思い出がよみがえった。
「わあ、なつかしいなぁ~」
応接間に通してもらうと、老犬がソファにうずくまって座っていた。
「こんにちは。突然お邪魔してびっくりさせてごめんね。」
すると老犬はよろよろと立ち上がり奥の部屋へ移動した。

「一人でいるのが好きなイヌなの。」
「そういう人もいるよ。」
「さあ、こっちに挨拶してやって。」
Dさんが仏壇を開けて促してくれた。

私は遺影の幼なじみの青年の顔にまじまじと見入った。
そして素直に涙が出た。
「もう何年になるのかな?」
「19年」
「そんなに経つんだ・・・。だって今の私が離婚したときの母と同い年になったんだもんね。」
「桜の咲く4月6日に亡くなったからね。毎年その頃はしばらく外に出たくなかったよ。」
「そうだったけ。ずっと来れなくてごめんね・・・」
「後を追って死にたくて河原まで行ったこともあった。」
「そう。最愛の息子に先立たれた母ってたまらないよね。」
「ことばでなんか言えないよ。順番どおりでないんだから。親不孝だよ。
誰にもこんな気持ちわからないよ。」
「そうだよね・・・」
「マーくん、ごめんね。いつも一緒で気がつかなくて。」
「ホント、小さい時から一緒だったから、それが自然恋心に変わったんだね。
いつもゆきちゃんのことを話してたよ。」
「Dさんも知ってたのに、なんで私、気づかなかったのかな・・・」
「今日はMがあんたを連れてきてくれたんだね。」
「う・・・ん。そうなのかな?」
気のせいか、私と向き合った19年ぶりの遺影は嬉しそうに見えた。

「今日は突然に、すみませんでした。」
「いいよ。また時間を作っておいで。お母さんにもよろしくね。」

私は次なる目的地に行く前に予定の1時30分までY川の河川敷をサイクリングして時間をつぶすことにした。
ホースセラピー牧場に顔出ししようか、図書館で読書しようか迷って、陰鬱な気分を癒すのに
都市部に残った自然に触れたかった。
そよ風はもう冷たくない。
土手にはイヌのフグリが咲いていて、早い春の訪れを感じた。
川面には、鴨の集団や、3羽トリオのゆりかもめが並んで柵にとまっていた。
「みんなしゃべらなくても仲良く一緒にいるのにね。人間だけが話せるのに、それが難しいんだよね。」
ゆりかもめを写メールしかけたら、二人連れの男女が声をかけてくれて、私も加わってしゃべりながら
15分くらい散歩した。
「あんたどこから来たの?」
「M町です。」
「歩けば健康にいいし、いい運動だよ。しかもタダ!」
「そうですね~。今日は自転車で来ました。」
「今度は一緒に歩こうよ。お弁当作ってきて。」
「はい。それじゃ、また。」

この会話ならどこが凹んでるのか、まったく問題ないよね?
ところが、1時30分にダンスタジオに着いたら・・・
とんでもない初体験が待っていた。


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私は超サイクリストです。5年前、四国は霊場88カ所を50日掛けて全て走破しました。

徳島の吉野川の堤防の上をサイクリングしていたら、午前なのにセーラー服の女学生が普通の自転車で二人乗りで走っていました。

手には、火の付いたタバコを持っていました。

私は、彼女達に思わず声を掛けました。あんた達未成年だろう?タバコなんか吸ったらアカンぞーっと。

彼女達の答えはタバコが手から離れてくれないのーでした。

それは5月の初旬で河原の景色も良いし、緑に溢れていました。タバコは別として、学校をさぼって堤防の上の道を走っていたことはまぎれも無いことだと思いました。

しかし、彼女達の表情が余りに晴れ晴れとしていた勢か、若い時のタバコはいかんぞと言っただけで済ませました。

彼女達も息苦しい教室に居るより清々しい五月晴れの堤防を楽しむのも、ま良いかと思って、それ以上の注意をせず、彼女達を思い切り抜いてサイクリング車(ランドナー)で先を急ぎ、私も5月の風を大いに楽しみました。

人間楽しめる時に楽しまなくっちゃ何て心境でした。

2009.03.06 23:49 URL | tom jerry #4ARdecsc [ 編集 ]

tom jerryさんへ

コメントありがとうございました。
早くも弥生をワープして皐月の風が薫ってきそうな思い出を綴ってくださり嬉しいです。
学校も職場も窮屈なところですよね。
私も似たような方々の佇まいに、自転車で走り抜けてしまう自分に後ろめたさを感じることがあります。

こういうときは、自転車は少し早すぎるので、さりげないイヌの散歩が通りすがりの心ある
オバサンとして一声かけられそうかな?と思います。
彼女たちだって親身になってくれる家族や先生がいれば、少々しんどくても期待に応えようと、エスケープするはずないのですから。

2009.03.10 19:24 URL | ゆきんこ #- [ 編集 ]












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