ダンヨガの驚き効果 その5
それを確かめるには、ヨガを継続している経験者の生の声を聞くのが一番だ。
3回目は土曜日の午前中だった。
平日参加できない若い女性たちや初対面の方たち10名くらいでスタジオは賑やかになった。
倦怠感不快感をひきずったまま、参加した。
「どうですか?」
インストラクターのH氏は、私の体調を聞くと微笑んでこう言った。
「それはよかったですね~。効果出ていますよ。」
「これで本当に効果出ているんですか?」
「これまで体内に澱んで濁った気が出て行けなかったので、詰まっているのです。
楽になるまでもう少しかかりますから、続けましょう。」
「はあ。でも、昨日知人たちに話したらやめた方がいいと言われました。」
「知らないからそういうんです。」
「まあ、そうですね。」
3回目もやっぱり苦しくてエクササイズの進行についていくだけでやっとだった。
自分としてはそれほど楽になったとか大きな変化はなかったのだけど、
他の参加者のコメントや態度が印象に残った。
「気が流れているのを感じました。」
「肩の力がすっと抜けて楽になりました。」
3ヶ月から1年くらい続けている会員さんたちは、なぜか清清しく楽しそうで魅力的に見えた。
本当にこんなふうに爽やかになれるのかな?
結局、この倦怠した気持ち悪いダルさをなんとかしたい。
それが本当にスッキリ感に変わるまでは中途半端な気がした。
「もちろん継続したいのですが、失業していますし、用立てるのが難しいのでとりあえず1ヶ月でお願いします。」
「ええ、いいですよ。」
そして、今日の午前中4回目のレッスンに参加した。
やっぱり、振動ダンスでは精根尽き果て立っていられなくなった。
そのまま自然にゴロゴロと床を左右に転がっていた。
最後に振り返りで自分の体の感じを報告し合ってエクササイズが終わる。
「肩の力が抜けてきました。」
「そういえば、ここに通って1年だけど毎年悩んでいた花粉症に今年はなってないわ。」
「私も。」
「免疫力がついてきたのですね。」
更衣室でも初対面のメンバーの方の話を聞いた。
「最近子どももレッスンを受け始めたのですが、集中力がついて自分から勉強するようになったんです。だから成績も上がったの!それまでは、塾へ行かせても渋々だったんですけどね。」
「それはすごいですね!友だちには子どもがいるので話してみます。」
「子どもの入会者が増えると嬉しいわ。」
私の場合、なんでだろう?の虐待と追い出され体験の連鎖をなんとか終わらせたい。
一度も追い出されない人もいれば、何度も追い出されて苦しんでいる。
「私、鬼っ子と言われました。」
「え?鬼っ子?」
「笑いごとじゃないんです。どこへ行っても他の誰でもなく私だけがどうしてなのかと思うほど、上司に怒鳴られては退職に追い込まれるのですよ。」
「丹田にエネルギーが溜まってくると気が座るのです。怒鳴られたり、追い出されたりするのは、
あなたが相手のそうした感情を引き出しているからなんですよ。腹が据わってくると相手に怒鳴られることはなくなってきます。」
本当にそうなって欲しい。
インストラクターのことばが余韻した。
「負けない自分。逃げない自分。」
帰りがけにカラダの感じをことばにした。
「なんだかお腹に大きな丸いものがとある感じがしてきました。
それから、手先があたたかくなってきました。」
「おお、そうですか!効果ありましたね。」
「明日も来て下さい。」
「明日も来ていいんですか?」
「ええ。」
「嬉しいです。来てもいいよなんて言ってもらえるなんて。」
インストラクターは微笑んだ。