日常の当たり前の何気ないことの中に 「あっ」というささやかな発見を一緒に 味わってくれませんか? でも、もしかすると、見過ごしている当たり前でない大発見かもしれません。
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「地域医療を考えるシンポジウム」
2010年05月23日 (日) | 編集 |
新居で生活を始めて1ヶ月。
金曜日の退勤後は、独居老人となった母に会うことにしている。
仕事で指導係りに凹まされ、再起不能と自己嫌悪に陥りそうになるけど、
たとえ派遣であっさり首斬りに遭う恐れが想定されたとしても、親子の縁は一生涯キープされているだろう。
それが、反って危機的という近親者関係も最近は増えているし、遠い幼い日々、嘗ては私も当事者であった。

「あんた、明日の午後このセミナー一緒にいく?」
と突然母から誘いを受けた。
「いいよ。」
どうも、講演会好きなのは親譲りなのか?

昨日から日曜日は全国的に雨と天気予報を気にしていた。
一応、まだまだ不慣れな新米主婦、パート勤務の兼業主婦なので休日はまとめて家事をやってしまいたい。
予報通りに、午前中は陽光に恵まれ、新居の窓から玄関に5月下旬のぬるい風も吹き抜けていく。
平日5時過ぎに起床する習慣がついてきて、休日の朝も7時には自然に目覚める。
そこから午前中のうちに、朝ごはん、掃除、入浴、洗濯と家事を一気にやって正午にはシーツも含めて全ての洗濯物が乾ききった。
1時過ぎには、洗濯物を畳んでしまって、戸締り完了。

ローカル支線のK駅始発の電車は、いつの間にかサイレンの音もなく静かに発車していく。
ぼーっとしている私がいけないのか、1本目前で見送って10分待ちぼうけ。
終点のH駅から走って故郷の市民会館大ホールに着席したのは、2時5分頃。
既に、T市長の挨拶が終わりかけていた。

本日のテーマは「地域医療を考えるシンポジウム 地域医療の現状と市民病院の果たす役割」
昭和25年に市民病院が開設されて60年。
老朽化のため、平成19年11月新病院整備計画策定より、今年22年1月新病院建設用地を取得した。

基調講演の講師は、城成経営学部准教授 伊関 友伸(いせき ともとし)先生
元々は埼玉県庁の事務職を歴任した伊関氏は、県立病院で医療福祉行政にかかわったのがきっかけで現職教授となった。
研究テーマは、行政評価、自治体病院の経営、保健・医療・福祉のマネジメント。
著書に『地域医療“再生への処方箋”』など多数。

自治体病院は冬の時代
TVで有名な千葉県銚子市立総合病院では、2006年度には35人いた医師が2008年4月には12人まで減少した。
銚子市は、財政支援困難と2008年9月30日で病院を休止した。
職員は全員分限免職処分(解雇)で職を失い、患者も方々の病院に転院した。
当時の市長は住民リコール運動で失職。
新たな市長が病院再建に取り組んでいる。

大阪府松原市立松原市民病院では、2003年度には36人いた医師が、2008年度には26人に減少した。
病院収益が急激に悪化し、資金繰りに追われることになった。
病院建物や医療機器も老朽化し、病院の建て替えや機器の更新に多額の費用がかかることが見込まれる。
総合的に判断した結果、市議会の決断を経て2009年3月31日にて病院を閉院した。

地元H市民病院はといえば、
医師不足もなく、自治体から熱心な税金投入(10億円!!)がされていて最近がんばっている病院だと伊関氏は評した。

自治体病院の経営破たんには2つの要因がある。
・財政破綻型→収益の悪化により、病院の手持ち現金がなくなって一時借入金に頼る経営に陥り、破綻に追い込まれる。
・医師不足型→医師退職により医療が継続できず、病院の経営を断念する。

それでは、なぜ、医師不足なのか?
医療経営にどのような問題があるのか?

①これまで日本政府は、医師が増えると医療費が増える「医療費亡国論」により、医師数の抑制政策を行ってきた。
OECD30カ国のうち、日本は下から4番目(患者1000人当たり医師2人)に医師が足りない。
しかし、世界レベルでは日々進歩を遂げてきた。
20年前まで一人の医師が患者を診療したが、現在では、複数の専門医が患者の疾患を診ている。
そのことで確実な診断ができるようになった。

②高齢者の増大で医療を受ける機会も増大している。
さらに、病院で亡くなる人々の割合も1951年には11.6%から2005年には82.4%と増加した。
医療者の看取りの負担を増大させている。

③インフォームドコンセント(患者さんへの十分な説明と同意)と医療安全の考えが重要になり、書類が増えて大変手間がかかるようになった。

④男女共同参画による女性医師の増加で医師の3~4割を占めてきた。
しかし、働き盛りに出産、子育てで臨床現場から離れる女医が多い。
あるいは、多忙すぎて余裕をもって働けない
→男女共に子育てしやすい社会を作る必要がある。

⑤劣悪な労働環境
少ない医師で多くの業務をこなさなければならない。
特に、産科、小児科、救急などの現場では過労死寸前と深刻である。
平日深夜や休日、時間外も入院や救急患者の受け入れをしている。
月100時間以上の残業を強いられる医師もある。

⑥病院の2極化
新臨床研修制度(2004)の導入により、研修医や若い医師の多くが高度・専門化に対応し、医師数の多い都市の大病院を研修先に選ぶ傾向が強まった。
医師・看護師が集まらない病院は、減収し、医療機能向上のための再投資ができない。
医師・看護数が少ない病院は、休日・夜勤も増えるので数の多い病院に勤務したい。


⑦患者も高度・専門医療を指向
マスコミが「病院・名医ランキング」などで宣伝する病院に集まる。
がん患者は、都市部の高度専門医療を提供する病院を受診する。
地方の病院はコンビ二救急か、社会的入院の利用に留まる。


⑧患者の不理解
医師の過酷な勤務状態に、自分の都合だけ(いつでも診てほしい、待ち時間は短く、医療費は安く、絶対に死なないなど)で行動する人たちが多い。
例えば、深夜3時にやってきた患者が、
「目がかゆいから目薬をくれ」と言われ、辞職した医師もいる。
1年間に100回も救急車を使った患者がいた。
そういった患者に振り回されてやる気をなくして辞めていく医師もいる。

患者と医師の双方のすれ違いの溝を埋め合わせ、社会の矛盾をサポートするバッファー(緩衝器)として自治体病院の存在意義がある。
そのためには、地域住民の節度ある病院の利用が大切である。
医師が勤務しやすい環境を作り、労働に対する適切な報酬と過酷すぎない勤務量を保障する。
住民は、健康的な日常生活をおくり病気にならないようにする。
できるだけ昼間に、本当に必要な病気だけ受診する。

住民の署名活動で危機的運営に瀕していた兵庫県立柏原病院の再建事例報告がある。
丹波地域の医師不足は深刻で、当院も小児科医が2名にまで不足していた。
母親たちの署名運動で、用紙には「コンビ二のように軽々しく受診することは慎む」との文言も書かれ、
550,360名の署名が集まり、5名の小児科医を召還できた。
この取り組みによって時間外受診は2004年345件から2008年27件へと、14分の1にまで減少した。

大規模の新病院を設立すれば、医師は集まるか?
自分のことしか考えない住民の地域からは、医師たちが立ち去り、後には「病院」という建物と巨額の赤字が残される。
自治体病院の再生や医師不足の問題を住民が「当事者」として考えることで、地域の民主主義を向上させることになる。


休憩を挟んで、
後半は、シンポジウム
地域医療の経営にかかわるVIPな5名のパネリストが各々の立場から提言を行った。
2番目に駅前の医科大学病院院長I先生の提言内容を要約しますと、

「救急救命には、1次(受診後帰宅など軽症)・2次(受診後入院・転送)・3次(受診後、危篤または即死)
開院5年目の医大病院では、3次救急救命という役割を担っているが、その内訳は自発的な1次救急外来を受診する患者数が4184件にまで上っている。
新整備される市民病院には、60年に渡る自治体病院の誇りを維持し、重症患者の2次トリアージの役割を担い、協調していくことを期待している。
医大病院が何でも屋のメガホスピタルになると、市民病院はつぶれてしまう。
市民病院を育てるのは市民である。」

なるほど、遥かアメリカのデトロイト市の病院で心臓外科研究員を履歴された院長先生のお言葉、
とても含蓄深く拝聴しました。
しかし、残り3名のパネリストの発表を聞かずして途中退席した私を許してください。
そして、10年前、その市民病院の小児科で従事していた私が、なぜ、母と今またこのシンポジウムに参加し、克明にブログに綴るのでしょうか?

RAINYDAYS AND SUNDAYS GET ME ノスタルジック


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2010/05/23 13:19 | 講演会 | Comment (0) Trackback (0) | Top▲
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