ゆきんこの引き出し

日常の当たり前の何気ないことの中に 「あっ」というささやかな発見を一緒に 味わってくれませんか? でも、もしかすると、見過ごしている当たり前でない大発見かもしれません。

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
--.--.-- --:-- | スポンサー広告 | トラックバック(-) | コメント(-) |
(去る7月6日?)は、何日ぶりかで午後から雨が降りました。
おかげさまで、ベランダのプチトマトはぐんぐん伸びて、少しずつ緑色の実も膨らんでいます。
他の枝からもぽつぽつ花が咲いています。

6月狙っていた職業訓練のコースは、なんと5倍率で、そこらの学校受験よりもはるかに難関になっている模様。
そこへ、普段着で受験に応じたのが、まずかったのか、商工労働部雇用推進人材育成課委託訓練グループよりほぼ10日後に届いた結果通知は、「繰り上げ受講決定者の5位」でした。

そこで、めげずに再受験を目論んで、再度、ハローワークの職業訓練コーナーを訪れたところ、
「私も貴女と同い年なんですよ。」と親身に応じてくださった、女性アドバイザーの進言が、私の心を射止めました。
「あなたは腰痛持ちなのですね。医療事務でも立ち仕事で腰を痛めたのなら、介護のお仕事はどうなんでしょう?
あなたがどうしても体を壊してでも、介護の仕事をしたいというなら別ですが、いくら求人が多くて、社会的ニーズも高い職種とはいえ、あなた自身の適職かどうか、本当に長続きできるのかどうか、もう一度考えてみてはどうですか?申し込み期日までまだ1週間ほどありますから・・・」

そこから、どのように経緯を踏んだのかはまた改めるとして、、、
端的には6月末から7月初めにかけていろんなところを駆けずり廻った。

去る7月2日(土)の午後3時ごろのことです。
何の変哲もない主婦のお仕事、つまり掃除を正午前からせっせとやり終えて、
ぞうきんがけのバケツの水を捨てようと、玄関のドアを開けました。
すると、通路の溝に何やら蠢くピンク色の小さな生き物が。
昆虫でもないクラゲかと見間違ったその生き物は、なんと生まれたての小鳥のヒナ。
まだ羽毛も生えていないピンク色の肌です。
とりあえず、ティッシュにくるんで保護し、付近に巣はないかどうか、階上も探してみました。
「カラスか何かにくわえられて、途中で落ちたのかな?」
「よりによってなんでウチの玄関先に落ちてたんだろう。」

こうして、野鳥のヒナ育てが始まりました。
ネットで調べたところ、どうやら雀のヒナのようで、詳しいサイトを頼りにやってみることにしました。
まずは、巣箱作り。
段ボール箱に37度に保温すべく、湯たんぽを土台にしてティッシュを敷き詰めました。
それから、餌です。とりあえず、ハムを1ミリに刻んで嘴の奥へと突っ込みました。
しかし、サイトによれば、茹でた卵の黄身がいいのだとか。
餌を変更して、炎天下の午後5時過ぎ、複数の店を梯子しました。
人口8万人の町は、ちょっとした非日常にすぐ対応できません。
行く先々の店を選び損ねたのもあるのですが、最寄りの百円ショップに、スーパーでは、小鳥の餌はあっっても、「生まれたてのヒナの」餌なんておいていません。
やっと、3軒目のペット専門店の店員さんに聞いてみました。
「すみません。小鳥のことに詳しい店長が出払っていて・・・」
とりあえず、一か八かで400円くらいの箱入りの餌を買いました。


さて、帰宅して箱の蓋を開けると、開けるたびにヒナは本能的に口を開けて
「ピイピイ」と鳴きます。
そこへ、買ってきたヒナの餌を一粒づつ口に入れました。
専門サイトによれば、3時間以内に餌を与え続けないと死んでしまうとあります。
「人間だけじゃなく、親って子育てするのが大変なんだな~」
今夜は寝不足になるのは仕方がない。と腹をくくって夜中にアラームをセットしました。

しかし、ヒナの鳴き声は次第に小さくなり、巣箱の蓋を開けても顔を伏せたまま静かになってきました。
ペットショップの店員さんのアドバイスでは、
「上手く育てば奇跡かもしれない。」
と、楽観的なものではありませんでした。

翌朝の3日、ヒナのお腹が大きく膨れ上がり、ぐったりしていました。
そこで、今度は小鳥に詳しい動物病院を探し尋ねました。
小鳥を飼育した経験のある友人に教えてもらって問い合わせると、
「電話では様子がわかりませんので、連れてきてください。」
と事務的だった。
連れてきてといったって、その動物病院まで電車を乗り継いで1時間30分はかかる場所だ。
電話したのは、もう夕暮れ時で、今から連れて行ったとしても、下手に動かして容体が悪化するかもしれない。
思わず、ヒナに愛着が湧いてきて「ピヨちゃん」と呼びかけていた。

めげずに、ネットで調べているうち、別の動物病院ならバイクで駆けつけられる場所にあることや、
野鳥保護のボランティアなども紹介していることがわかった。
しかし、日曜日は休診日で電話がつながらず、翌朝4日に連絡が着いた。
アドバイスは、「お腹をさすったり、肛門を刺激して糞が出るようにしてみてください。
それと、餌はミルワームという生餌に変えてみてください。」
という指示だった。

合わせて、野鳥保護の公共施設の係に問い合わせてみた。
「結局、野鳥のヒナは拾ってはいけないのですよ。冷たい言い方かもしれませんが、カラスに運ばれたのかどうかわかりませんが、それはそれで自然の法則というか・・・」
「つまり、自然淘汰ってことですか。では、引き取ってもらえないとなるとどうすればいいですか?」
「ある程度育てて、後は付近の自然に還すということになるでしょうか。」

それで、再び覚悟を決めて、一昨日のペットショップを再訪した。
今度は、店長が応対してくれたが、
「う~ん、そんなに小さくて餌を消化しないとなると、そのヒナの問題かもしれない」
つまり、もともと元気なヒナなら食欲不振でぐったりしないというのだ。

当のピヨちゃんの容体は一進一退で、糞は少しは出るようになったが、
餌を変えてみてもあんまり口を開けず、鳴き声も弱弱しくなっていた。

サイト上の雀のヒナの成長記録では、生後2週間ほどでほぼ成鳥になるらしい。
でも、3日目のピヨちゃんの体はほとんど変わらず、羽毛も生えず、目も開かなかった。
「ピヨちゃん、ピヨちゃん、餌を食べなくちゃ大きくならないよ。」
声をかけると、反応して、必死に首を持ち上げようとするが、もうピヨちゃんには生気が感じられない。

そして、宵から深夜にかけて、声をかけても全く反応しなくなった。
ただぐったりと、首を項垂れてうずくまり、呼吸をしているだけ。
肺や心臓の動きが透け透けのピンクの皮膚の下から覗けて、ただ見守るしかなくなった。
時々、ピヨちゃんの微かな鳴き声を布団の中で確認し、「まだ生きている」と認識し、夢うつつの晩を過ごした。
ピヨちゃんの消息を最後に確認できたのは、4日未明の5時頃。

それから、朝7時に巣箱の蓋を恐る恐る開けた。
ピヨちゃんは、うずくまったまま微動だにしなかった。
ピンク色の血の通った肌は、白っぽい薄紫色に変わって見えた。

4日には、何度か巣箱の蓋を開けて、ピヨちゃんを観察した。
何度開けても、ピヨちゃんは同じ姿勢のまま、動くはずがなかった。

自然に任せるというのは、単純だが残酷でもあると思う。
人間は、特別、誰かを守ったり、助けたり、何かの手立てを講じようとして、あがいたりするから、弱い人でも一緒に生きていける。

動物病院の情報を提供してくれた友人に、人騒がせなことに何回もメールを送って、ピヨちゃんの状況を知らせた。
「あんなに小さい体でよく頑張って3日間生き続けたものだと感慨深いです。きっと最後まであきらめないで面倒みてもらって、良い感情を持ってあの世に旅立ったことと思います。」
と返信をもらった。

明けて5日の夕涼みの頃、河川敷の側道の木の根元にピヨちゃんを埋葬しました。
ピヨちゃんの小さな短い命との4日間のおつきあいでした。

成鳥した雀の姿や元気な囀りに、なんだか逞しさを覚えます。
「ヒナを巣から落とさないでよ。」
と心のなかで、雀に声をかけました。
スポンサーサイト












管理者にだけ表示

トラックバックURL↓
http://sateraito.blog20.fc2.com/tb.php/466-b3c74da6

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。