日常の当たり前の何気ないことの中に 「あっ」というささやかな発見を一緒に 味わってくれませんか? でも、もしかすると、見過ごしている当たり前でない大発見かもしれません。
『わたしを離さないで』を読んで
2013年03月18日 (月) | 編集 |
日本全国、春の嵐の到来のせいか、大阪春場所も三役陣の連敗が報じられています。
残念ながら、初顔合わせの結びの一番で二横綱に敗れた勢関。
その大健闘に、大きな拍手を送ってしまった私。
すっかりミドル世代になったことを自覚してしまいます。

そんな本日は、午後から本降りにもかかわらず、プチパーティー気分です。
めんどうだなと思うと、モチベーションも何もかもがネガティブになってしまいそうなので、
無理のない範囲で、いいこと探しをしてみます。

例えば、春の装いで、たまにはフレアースカートはいて、どこかへお出かけを企ててみるとか、
イオンで1パック300円以内でイチゴを買って、65円のアイスとコーンフレークでプチデザートを作り、
3時のおやつにウチカフェを楽しむ。

その前に、埃を被った照明器具と、床も掃除したら、昨日のしょうもないくよくよしたことまで、拭きさってしまえるような気がします。

さて、夕食はツナのカリフォルニアロール寿司と、春野菜のミネストローネ、春野菜のソーセージとチーズオムレツと決めました。

その前に、先週読み終えた カズオ・イシグロ著『わたしを離さないで Never let me go』の感想文をアップします。

背表紙には、以下の概説が記載されています。(転載いたします)

残酷な運命に翻弄された若者たちの一生を感動的に描くブッカー賞作家の新たな傑作
自他ともに認める優秀な介護人キャシー・Hは、提供者と呼ばれる人々を世話している。
キャシーが生まれ育った施設ヘールシャムの仲間の提供者だ。
共に青春の日々を送り、かたい絆で結ばれた親友のルースとトミーも彼女が介護した。
キャシーは病室のベッドに座り、あるいは病院へ車を走らせながら、
施設での奇妙な日々に思いをめぐらす。
図工工作に極端に力をいれた授業、毎週の健康診断、保護官と呼ばれる教師たちの不思議な態度、
そして、キャシーと愛する人々がたどった数奇で皮肉な運命に……。
彼女の回想はヘールシャムの驚くべき真実を明かしていく
英米での絶賛の嵐を巻き起こし、代表作『日の名残り』に比肩すると評されたイシグロ文学の最高到達点。

この著作を読もうと思ったきっかけは、1年ほど前にEテレで放映された作者カズオ・イシグロのドキュメンタリー番組を視聴したからです。

幼少期を長崎で過ごし、その後はイギリスで育ったというイシグロの作品は、とりわけ記憶を遡って展開される物語であることが特徴的であると本人が番組の中で語っていました。

私が何となく感じた印象では、結末が悲しくやるせないことがわかっていて、過去の思い出を読み進むので、
楽しいシーンさえもが寂しさや悲しさ、やるせなさが背景に漂ってくるような情景を想像してしまいました。

主人公のキャシーとルース、トミーの3人は共にヘールシャムという施設で育った幼馴染のクローン人間という設定です。
しかも、青春期を三角関係で過ごし、トミーと恋人同士だったルースは、最後に臓器提供をする際、キャシーにトミーとの仲を裂いたことを詫び、キャシーにトミーと恋人として介護して欲しいと遺言するのです。

ごく普通の教育を施され、楽しい思春期を送った若者の末路。
それは、臓器提供を果たすという使命でした。

私は改めて人為的に生み出されたクローン人間といえども、一人格を有した血も涙もあり、恋愛感情をもつ仲間。
それでも、最後には臓器提供を余儀なくされ、普通の人権を持つ人間として生涯を全うすることが許されないクローン人間。


いよいよ、iPS細胞が実用化されつつある21世紀。
この物語がフィクションの領域には終わらないことを予感しながら読むと、
これまで、普通にご先祖様からの有性生殖を経た人間とクローン人間との間に、
差別とか論争、あるいは、戦争にまで及んでいくのではないか?
クローン人間を生み出してまで、ヒトは一体どこまで生きながらえれば満足するのか?

自分には父と母があり、10月10日母体で育まれて、誕生しました。
そういう今まで普通の経路しかなかった人間が生み出されることが、実現できるほど科学は躍進しました。
もしも、自分の命が危うい時、不治の病を自分のクローンがいることで、やっぱりその人を犠牲にしてまでも、生き延びたいのか?

そうでなくとも、アンチエイジングだとか、いつまでも健康で長生きという願望は、もう欲望になっている気もします。
平安時代、蔓延する感染病に恐れおののき、陰陽師に縋って祈祷していた時代に比べれば、全くもって贅沢な時代です。

非科学的なことを言わせてもらえるなら、生まれ変わりという説もあるので、
私の場合は、とりあえず、現世でクローンのお世話になるのはやめて(お金もかかるだろうし)
いつまでも生き続けるというよりも、
とりあえず、あの世とか、別世界も経験して、また別の時代に生まれてみたいです。

その時には、性別は1種類または、3種類以上ならいいかな?
現状では、女子の方が長生きですが、それ以外は妊娠出産の負担もあるし、社会的にはいろいろ我慢したり、損させられていると実感してますから。
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2013/03/18 17:51 | 読書 | Comment (0) Trackback (0) | Top▲
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