日常の当たり前の何気ないことの中に 「あっ」というささやかな発見を一緒に 味わってくれませんか? でも、もしかすると、見過ごしている当たり前でない大発見かもしれません。
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8ヶ月ぶり6度目
2005年10月28日 (金) | 編集 |
昨日は、終日よく動いた。あっという間だった。

朝6時に起床してお弁当を作って出かけたのは9月30日以来。
1年前の受験当日と同じ茶色のパンツスーツで8時に出発した。
行き先は、今月初めて鑑賞した宝塚歌劇の再びの地域だった。
雲ひとつない秋晴れの清清しい青空を車窓から眺めつつ、
緊張感が徐々に増してくる。
阪急中山駅の最寄の公共施設「ぷらざこむ」
開始時刻の10時5分前になんとか到着した。

会場に到着してみると、スタッフはまだ準備中で、
講演会の講師も到着していなかった。
受付で参加費を支払い主催担当のUさんに挨拶した。
「おはようございます。一昨日は、ご案内ありがとうございました。」
一昨日の大学院のゼミ室で偶然始めてお会いしたUさんに
今回の講演会の案内をしていただいた。

わたしは、落ち着いて座れるお決まりの最後列の端の席に着き、
持参したお茶で喉を潤した。

30人定員の部屋がほぼ満席になり、定刻をかなり上回って
「まだ、来られませんね。」とスタッフの誰かが呟いたとき、
遅れてそのプレゼンターは現れた。

肩にはバックパック、片手にパソコン。
荷物を下ろして、パソコンの立ち上げる講師を参加者は一同に黙して見つめた。
「あれ?出てこないですね。今朝は動いていたのですが。
それじゃあ、お手元のレジュメに添ってお話を始めます。」

パソコンだけでなく、講師は全身がくたびれきっているのが、
一目瞭然だった。

お目にかかるのは、今年の2月以来、実に8ヶ月ぶりの6度目だった。
いちいち数を数えているのもおかしいのだが、
それくらい、本心はこの時を待ち焦がれていたのかもしれなかった。
けれども、偶然の諸々の事が度重なって、自分の願望通りに
ここに導かれていることに、不思議な気さえしていた。
わたしは、プレゼンターから無意識に自分の姿が見えないように、
顔を伏せて前に座る参加者の背中に隠れるようにしてレジュメに講演のメモを書き込んだ。

普通の講演会なら、こんな怪しげな振る舞いはしない。
どの講師にも、わたしがどこの誰ともわからない匿名のリスナーだ。
度重ねてお目にかかることもない。
しかし、その時のわたしは師の姿が目に飛び込んだとき、
恥ずかしくてどうしようもなかったのだ。

わたしには、メモをいちいちとるまでもなく、講師の話が手に取るようにわかった。
殆どは、毎日見ていた既に師のブログやHPに載っている内容だったからだ。
それが、手元のレジュメの内容とリンクしているのを確かめつつ、
時にコミカルに語る話術に、緊張感はほぐれていった。

「何といっても、保護者同士の連携や、情報交換が大切です。
一人で役所に訴えても、大学の先生をしている私が言ってもダメで、
やはり、グループで訴えないことには、行政は動こうともしません。」

30分くらい経過した頃だろうか、わたしは、気を緩めてふと顔を上げた。
I先生と目と目が合った。 わたしはその瞬間、固まっていた。
いつ、気づかれたのだろう。

何度かお目にかかりながら、わたしはプレゼンターの
I先生の誰よりも鋭いプロフェッショナルの観察眼にいつも心奪われていた。
なんという目をした人だろう。

死角をわざわざ選んで座ったのに、見つかってしまった。
全国を飛び回り、もっと大きな会場の講演会でいちいち一人一人の聴衆の顔や名前など憶えていられるはずもないのに。

あんなにもくたびれきっていたのに、師は2時間みっちり
自分のノウハウを会場の人々に各々の発達障害児の事例を具体的に
挙げながら、面白おかしく伝えようと弁舌を振るった。
「学校には行きたくありません。でも、大学院は楽しいです。」

参加者は、合間、合間に笑ったが、笑いの中にもどこか、
シニカルな悲哀をわたしは禁じえなかった。
裏を返せば、
「どうして、わざわざ『大学院』でしなくちゃならないの?
やってることは、社会性に、身辺の諸々のこと
いつでも、どこでもだれでもできることじゃない?」
笑った瞬間、I先生と目を合わせていた自分が結構冷静だった。
驚きも度を越すと、こうなるのかな?

だって、前の人の頭に隠れたその奥に、大きな右目が、
わたしの左目と見詰め合っていたのだから・・・釘付け
そして、わたしがいつもブログを見ていることを
わたしの反応からI先生が確かめていることもわかっていた。
あんなに毎日寝る暇もなく、超多忙生活を送っているというのに。

「人間には、感情があります。それがお互いの邪魔をしたり、
迷惑を掛け合ってしまうことがあります。そんなときには、とにかく
落ち着いてクールダウン。そして、お互いの言い分に耳を傾け合い、
共に支えあっていきましょう。HPなどで仲間を作り、その輪を広げていきましょう。」

定刻を過ぎて、レジュメから逸脱しっぱなしのI先生の講演は終わったが、
「まだ、次の訪問先までしばらく時間がありますので、個別に質問ある方どうぞ。」

数名の保護者たちが、I先生の周囲に集まり、わたしは荷物をまとめて、そろりと部屋を退出した。
ああ、、、またこうして自分からチャンスを捨ててしまった。
I先生とのブログのコメントである女性にボランティアをすると約束したのに。

JR中山駅まで徒歩で40分ほど、物思いに耽った。
でも、もう少し、時間をちょうだいよ。
本当にこの世界がわたしに相応しい処なのか。
ゆっくり考えさせてよ。

人生は一度きりで、かけがえのないものだから。
ひとつの選択肢を選んでしまったら、他の全てを捨ててしまわなくちゃ
ならないの。

結婚だって同じでしょ?
この前の子育て支援の講義でS先生こう言ってたよ。
「結婚するときはね、目の前のこの女性をこの先、何十年も愛し続けることができるかどうか、私は不安でたまりませんでした。
それほどに、愛は不確かでいいかげんで、移ろい易いものなのです。」

大学院なんて、ある意味、高級牢獄みたいなものなんでしょう?
動いているように見えるけど、結局、先生はそこから一歩も動けないから苦しそうに見えたよ。

3時過ぎに地元の駅前に戻ってくると、わたしの自転車は
市の放置自転車の駐輪所に運ばれて無くなっていた。
「あぁ~、しまった!」
とぼとぼと、バス停7つ分小1時間かけて歩くと汗ばんできた。
現地に着いて、罰金1500円支払う。
今後の戒めのために付記しておこう。ウウウウ・・・
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2005/10/28 18:40 | 講演会 | Comment (0) Trackback (0) | Top▲
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