日常の当たり前の何気ないことの中に 「あっ」というささやかな発見を一緒に 味わってくれませんか? でも、もしかすると、見過ごしている当たり前でない大発見かもしれません。
第57回 正倉院展
2005年11月09日 (水) | 編集 |
朝夕の冷え込みがめっきりきつくなってきた。
風車のテンプレートでは寒々しい感じもする。
午後1時50分の時点で室温は16℃なんだけど、
皮下脂肪少な目のわたし、指先も冷えるし、サル模様の
チャンチャンコを羽織っている。

今朝、10時前に裏のWさんが、わざわざ家にやってきた。
「ブログ見たよ。上手に書けてるね。」

嬉しい!コメントはないけど、読んでくださっているのだから、
まともな内容にしなくちゃね。

昨日も一昨日も終日出かけていた。
月曜日は、奈良の正倉院展へ出かけた。
日曜日が雨だったのか、それとも平日だろうと
期間限定のたったの2週間の公開だからなのか、
はたまたマスコミの前宣伝が華々しかったのか、
やっぱり、年金族のシニアの皆様の余暇活動には
最適なのか?

いろいろ理由はあるけれど、わんさかと黒山、
いや、胡麻塩頭の人だかりだった。

待ち合わせの改札に10時30分に着いたけど、
相棒のSちゃんの姿がない。
公衆電話をかけると、Sちゃんが出た。
「え~!最終日の14日じゃなかったの?」

どうも行き違いで、わたしのラストメールはSちゃんに届いていなかった。
わたしのプロバイダーは時々リジェクトされて、
相手に届かないことがある。
それに、今時まだ携帯を持っていないのも、
友人、知人に迷惑をかけている今日この頃。

携帯にはいろいろの功罪がある。
いろいろ考えてやっぱりその方がいいと思わないツールは
高価なものならなおさらすぐには買わない。
業界に詳しいプロの友人の見立てで、パソコンも手に入れたのは、
2002年の3月2日だった。

「今からでも来てくれるのなら、待ってるわ。」
心優しいSちゃんは、わたしのわがままに応じて
慌てて身支度をして特急に飛び乗って駆けつけてくれた。
嬉しい!

待ち時間の間に、わたしは1時間以上ものんびりと奈良の商店街を散策していた。
商店街を抜けて石畳の街道を100m歩くと猿沢池に出る。
そのほとりに沿ってブラブラと一周歩いた。
池は抹茶黄緑に濁っていて透明度はよくない。
魚がいるのかもわからなかったが、亀はうようよと30匹くらいが、
浮き出た木片の上に集まって甲羅を乾かしていた。

再び、奈良駅に戻るとSちゃんが待っていてくれた。
「ごめん。ずいぶん早く着いたね。散歩して時間潰してた。」
「とにかく、会えてよかった。」
Sちゃんは息を弾ませてカフェオレを飲んだ。

「この前、Sちゃんとマンマ・ミーアを見て帰ってすぐに
ブログに書いたんだけど、画面を切り替えてたら、なくなっちゃった。」
「ちゃんとこまめに保存したほうがいいよ。」
「それにしても、前宣伝のある催し物は、ゴッホ展といい、
今回の正倉院展もすごい人だね。」
「不景気とかリストラとかあってもそれだけの暇とお金がないことには
経験できないことだものね。」
「うん。有り難いことだね。」

有り難い
なんてことばは、このごろSちゃんと話していると
自然によく使うようになった。

さて、数え切れない人々の間をくぐって、有り難い古代
天平の至宝の数々を目にすることができるのかどうかが、
心配だったが、前評判の高かった至宝は全て見ることができた。
フロアーに入って一番最初が、
JR大阪駅や、元町駅でもデカデカと宣伝されていた
「北倉 平螺鈿背八角鏡」(へいらでんはいのはっかくきょう)
意外に小さい手のひらサイズだった。
そして細工の丹念な細やかさ。
その至宝もそうだが、同じコピーデザインではなく、
ひとつひとつが違っている。全て手工芸品なのだ。

わたしは手先が不器用な方だから、これらの至宝が
当時の名も知らぬアーティストたちの磨きぬかれた技から
生み出された傑作品が、世紀を超えて合い見えることの
有り難さをかみ締めたいと思った。

北倉 木画紫檀棊局(もくがしたんのききょく)
北倉 紅牙撥婁棊子(こうげばちるのきし)
の当時の高級囲碁セットなども見ごたえバッチリ!
碁石にあたる4色の象牙でできた石(棊子:きし)に
ひとつひとつ刻まれた鳳凰の姿に人々は
虫眼鏡越しに目を凝らして覗きこんでは、
「はあ~」とため息を漏らした。

それから、当時を記録した書物
7~8世紀の天平の昔、手漉きの紙は貴重な宝物だった。
そして文字は全て漢字だ。
「ひらがなって、平安時代にできた女の人の文字だったよね。」
記されているのは、高級貴族の給与目録。
正倉とは、お金と同等の価値のある税金となるお米が備蓄されていた。その禄高を記録されたものが保存されている。
「ふ~ん、1000年以上も前の時代から給与明細があったなんて、
今とあんまり変らないかも。」
「そうかな??」

他には、雅楽楽器や奏者のコスチューム、演劇の布製のマスクなども
あり、目はちゃんと穴があいていた。
大きな靴下もあって、
「サンタクロースの靴下みたい!ゴムはないからどうやって履いたのかな?」
「紐でしばったんじゃないの?」

南倉の犀角如意(さいかくにょい)
これも煌びやかなデザインでよかった。
「如意そいえば、歴史の教科書で出てきた如意輪観音像とか
思い出したけど。」
「ここには、如意というのは、孫の手の意味なんだね。」
「ふ~ん。孫の手観音ね。」

とにかく、どこかへお出かけして、何かを見聞して体験学習すること。
友達と一緒なら意見交換や共感もできるから楽しさも何倍にもなる。
幸せ!!

Sちゃんは自他共に認める包容力のある素敵な人だ。
わたしが相変わらず、ABAに夢中になっている話もにこにこと聞いてくれる。
「なんでもいいけど、トコトンはまっちゃったら幸せなんじゃないの?
その先生に会ってからというもの、幸せそうじゃない。」
「そうかな?なんだか見えない糸ではめられてる気もするんだけど」
「テレビで見たけど、クラゲが大好きな幼稚園の男の子がいて、
大学のクラゲ博士と互角にディスカッションしてるんだけど、
先生の方も、のめり込んでいる生徒と話ができるのが、本当に嬉しそうだったよ。」
「それが、幸せってことなのかな。」











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2005/11/09 15:21 | 鑑賞 | Comment (0) Trackback (0) | Top▲
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